配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2003年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
ピロールにイミノメチル基を導入した2座イミノピロリル配位子を用いて種々の4族金属錯体を合成し、それらの錯体がエチレンの重合触媒となることを見出してきた。このイミノピロリル配位子は非対称であり、同様に非対称であるamidinate配位子を有するハーフメタロセン型錯体によるα-オレフィンの立体規則性重合が報告されていることから、イミノピロリル配位子を有するハーフメタロセン型錯体を用いて、α-オレフィンの立体規則性重合が可能であると期待される。そこで、ハーフメタロセン型錯体を合成し、エチレン及び1-ヘキセンの重合触媒としての性能を検討したので報告する。 ハーフメタロセンジメチル錯体は、Et_2Oまたはトルエン中、C_5R_5MMe_3(M=Ti,Zr ; R=H,CH_3)と配位子を反応させることにより得た。 得られた錯体を用い、MMAOまたは[Ph_3C][B(C_6F_5)_4]/R_3Al(R=Me,Et,^iBu)を助触媒に用いてエチレンの重合を行った。MMAOを助触媒とする系と[Ph_3C][B(C_6F_5)_4]/R_3Alを助触媒とする系についてエチレンの重合を行った。助触媒の種類により、異なる活性種が発生していることを見いだした。この違いを明らかにするため、錯体と^iBu_3Alとの反応後、加水分解すると、イミノピロリル配位子とイミンがアミンへと還元されたアミノピロリル配位子が得られた。従って、アミノピロリル配位子を有する錯体が重合活性種となっている可能性が示唆された。 そこで、アミノピロリル配位子を有する錯体8を合成し、エチレンの重合を試みた。助触媒にMMAOまたは^iBu_3Alのみを用いた場合では低活性であったが、[Ph_3,C][B(C_6F_5)_4]/^iBu_3Alを助触媒に用いると高い活性を示した。この結果より、[Ph_3C][B(C_6F_5)_4]/^iBu_3Alを助触媒とする系では、アミノピロリル配位子を有する錯体が重合活性種となっていると考えられる。 1-ヘキセンの重合反応について、現在検討中である。
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