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ジチオレート硫黄原子を含むメタラ環状化合物の特異な反応性と物性

研究課題

研究課題/領域番号 13029071
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関大阪大学

研究代表者

松林 玄悦  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029182)

研究期間 (年度) 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードロジウム錯体 / ジオチレート錯体 / ペンタメチルシクロペンタジエニル錯体 / 酸化電位 / ESRスペクトル
研究概要

拡張π電子系のC_8H_4S_8^<2->配位子を有する有機Rh(III)化合物を合成して、その酸化体を得て、Rh-S-C-C-Sからなるメタラ環の反応性をしらべるとともに、その導電性あるいは磁性を検討することを目的としている。
[RhCl_2(η^5-C_5Me_5)]_2と[NMe_4]_2[C_3S_5]あるいは[NMe_4]_2[C_8H_4S_8]との反応によって[Rh-(η^5-C_5Me_5)(C_3S_5)](1)および[Rh(η^5-C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](2)を得た。これらは溶液中では[Co(η^5-C_5Me_5)(C_3S_5)]と同様に単量体であるが、固体状態ではRh-S架橋による二量体として存在する可能性がある。錯体1および2の酸化電位は、それぞれ+0.45,+0.70Vおよび+0.16,+0.50V(vs. Ag/Ag+)であり、1については、これに相当するCo(III)錯体[Co(η^5-C_5Me_5)(C_3S_5)]の酸化電位(+0.211V vs. Ag/Ag+)にくらべるとかなり高い。また、2の酸化電位はC_3S_<5->錯体である1の値にくらべて低く、これは他のC_8H_4S_<8->金属錯体においてもみられる。
2を臭素で酸化して[RhBr(η^5-C_5Me_5)(C_3S_5)](3)を得た。Rh(III)核とともにC_3S_5配位子上に不対電子をもったラジカルを含んでいる。溶液中のESRスペクトルは、g=2.017にA_<Br>=32G, A_<Rh>=5Gの超微細構造を示す。2は酸化電位が低いのでヨウ素によっても酸化することができ、[RhI(η^5-C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](4)が得られた。ESRスペクトルでは、ヨウ素核とのカップリングも見られる。4ではC_8H_4S_8^<2->配位子中心の酸化が生じ、酸化体の固体状態では、多くの硫黄原子があるので配位子間でのS--S相互作用によって効果的な電導経路が形成されて、高い電導度が期待される。、さらに、2の臭素酸化体も合成し、酸化体の結晶構造とともに、導電性あるいは磁性を検討してゆく。

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] G.Matsubayashi, M.Nakano, H.Tamura: "Structures and Properties of Assembled Oxidized Metal Complexes with C_8H_4S_8 and Related Sulfur-rich Dithiolate Ligands"Coordination Chemistry Review. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] G.Matsubayashi, T.Ryowa, H.Tamura, M.Nakano, R.Arakawa: "Preparation and Properties of Dinuclear Bis[dicarbonyl(cyclopentadienyl)]-diiron(II) Complexes with the S-S Coupled, Dimerized Sulfur-rich Dithiolate Ligands"Journal of Organometallic Chemistry. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] K.Kubo, M.Nakano, H.Tamura, G.Matsubayashi: "X-ray Crystal Structure and Electrical Conductivity of [Pt(2,2'-bipyridine)-(C_8H_4S_8)][BF_4][C_8H_4S_8^<2-> = 2-{(4,5-ethylenedithio)-1,3-dithiole-2-ylidene}-1,3-dithiole-4,5-dithionate(2-)]"Inorganica Chimica Acta. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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