研究課題/領域番号 |
13029090
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永島 英夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (50159076)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 有機遷移金属錯体 / 銅 / ルテニウム / β-ラクタム / γ-ラクタム / ラジカル環化反応 / アミジナート / 分子触媒 |
研究概要 |
本研究は、広範な生理活性物質の基本骨格である窒素を含む4〜6員環化合物の効率的な合成法として、分子内の適当な位置に炭素-炭素二重結合を有するポリハロアミドを触媒的に環化させ、多官能性ラクタムを得る方法を確立することを目的としている。本年度は、まず、従来の多座窒素配位子をもつ銅錯体を用いた、4〜5員環ラクタムの合成経路の確立をめざして、反応基質であるエナミド構造をもつトリクロロアセトアミド、N-アリルトリクロロアセトアミド、N-アリルジフルオロプロモアセトアミド、および、生成物である塩素あるいはフッ素を含むβ、γ・ラクタムを、結晶構造解析、溶液中での動的挙動、サイクリックボルタンメトリーを用いた酸化還元電位の測定、という3つの手段で、構造と電子構造を明らかにした。その結果、反応に与える立体構造、電子構造の因子を系統的に整理することに成功した。さらに、効率的触媒の開発をめざして、メタラサイクル(ジアザルテナシクロブタン)構造をもつルテニウムアミジナート錯体の開発した。得られた数種類のルテニウムアミジナート錯体を、サイクリックボルタンメトリー測定をおこない、上記環化反応の触媒としての機能を、錯体の酸化還元電位により評価した。その結果、(η^5-C_5Me_5)Ru(η-amidinate)が従来の銅錯体と同等の酸化電位をもち、N-アリルトリクロロアセタアミドの環化反応によるγ-ラクタム合成にもっともよい結果を与えることを見出した.この錯体を触媒的に用いて天然物であるピロリジジンアルカロイド骨格の合成に成功した.
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