研究課題/領域番号 |
13029113
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
秋葉 欣哉 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (20011538)
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研究分担者 |
多田 愈 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063651)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 超原子価 / アピコフィリシティー / スピロホスホラン / 有機リン化合物 / ウィティッヒ反応 / 6配位 / 反結合性軌道 |
研究概要 |
1.5員環を形成する(C, O)2座配位子を2個もつスピロホスホランは超原子価ホスホランであり、2個の酸素原子は電気陰性度が大きいために、アピカル位にあるもの(O-trans体)のほうがエクアトリアル-アピカル位にあるもの(O-cis体)より安定であることは良く知られている.(apicophilicity)。本研究において、エクアトリアル位にベンジル基をもつP-ベンジルスピロホスホラン(1)について、O-cis体(1-O-cis)を純粋に合成する方法を開発した。1-O-cis体は加熱により、トランス体(1-O-trans)に定量的に異性化した。 2.1-O-cis体のベンジル位のプロトンの酸性度は1-O-trans体よりも高く、かつ脱プロトン化されたベンジルアニオン(2-O-cis)は中性の1-O-cis体より熱的に安定であることが明らかになった。2-O-cis体をベンゾイル化すると、転位してビニルエーテル(3a)が得られたが、対応する2-O-trans体では転位はおこらず、正常なベンゾイル化体(3b)が得られた。これらは、エクアトリアル位のσ≠P-0の軌道のエネルギーがσ≠C-0のそれよりもかなり低く、α位のカルボアニオンを安定化するとともに、リン上の求核攻撃を受けやすいためである。 3.2-O-trans体はベンズアルデヒドと低温でも容易に反応し、Wittig形反応により、スチルベンをほぼ定量的に生成する。一方、2-O-cis体はベンズアルデヒドと低温でも容易に反応するが、生成する6配位のホスファートアニオンが熱的に安定で、そのK-18-c-6塩(3)が安定に得られた。3を熱分解すると、立体特異的にスチルペンが得られた。 4.1-O-cis体と1-O-trans体および2-O-cis体と2-O-trans体の安定性の差に関する理論的研究を分子科学研究所の永瀬茂教授に依頼し、行っていただいた。
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