研究概要 |
MGIP_3のCALI用プローブとしての有効性を検討するために,モルモットの平滑筋組織を用いてCALIを行った.組織標本にMGIP_3を添加しレーザーを照射すると,IP_3によるCa^<2+>放出活性に抑制がみられた.この時、Ca^<2+>ストアへのCa^<2+>取り込み速度やストアからのCa^<2+>漏出速度に変化はみられなかった.一方何も添加しない時,高濃度のIP_3をMGIP_3とに添加した時(競合阻害),CMGやMGIP_3'を添加した時にはレーザー照射による不活性化は起こらなかった.次に,光学系を再構築し,シングルセルレベルでレーザー照射できる系を作製した.この結果,レーザーを照射した細胞内のIP_3受容体のみ不活化することに成功した. 以上の実験から,合成小分子プローブ2bを用いたCALIにより,IP_3受容体の機能を特異的に抑制できる事が示された.合成小分子CALIの成功はこれがはじめてであり,生体内分子の機能解明の手段として非常に有用となる事が期待される.
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