配分額 *注記 |
52,000千円 (直接経費: 52,000千円)
2003年度: 25,900千円 (直接経費: 25,900千円)
2002年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2001年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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研究概要 |
タンパク質の極限環境耐性における非共有結合性相互作用(とりわけ疎水性相互作用)の重要性を明らかにすることを目的として,以下の研究を実施した。 (1)高度好塩菌フェレドキシンの耐塩機構解明 三角形平板状の特徴的な形態を有する高度好塩性古細菌Haloarculajapnica由来のフェレドキシン(Fd)は,[2Fe-2S]型クラスターを含む電子伝達タンパク質である。H. japonica Fdはほうれん草由来のFdに比べてアミノ末端が20残基程度長く,この領域がH. japonica Fdタンパク質の折り畳みと耐塩性に関与していることを明らかにした。 (2)中等度好熱菌3-イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼの耐熱化 3-イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(IPMDH)はロイシン生合成系の酵素の一つである。中等度好熱菌Bacillus coafulans IPMDH(BcIPMDH)は2量体構造をとるが,サブユニット接触部位の疎水性を強化することにより,5〜20℃もの耐熱性の向上が観察された。また,BcIPMDHに含まれるループ領域にプロリン残基を導入することによっても,耐熱性の向上が認められた。 (3)好アルカリ菌キチナーゼの機能部位解析 キチナーゼは多糖キチンの加水分解酵素である。好アルカリ性Bacillus sp.J813株が生産するキチナーゼ(ChiJ)は,ファミリー18触媒ドメイン(CatD),フィプロネクチンタイプIIIドメイン(FnIIID)およびキチン結合ドメイン(ChBD)からなるマルチドメイン構造をとることを明らかにした。さらに, ChBD領域は不溶性キチンに結合し, CatDによる加水分解反応を促進する働きがあることがわかった。
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