研究課題/領域番号 |
13031031
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
猪股 克弘 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80232578)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | レオロジー / 物理ゲル / トリブロック共重合体 / 会合 / 網目構造 / 動的粘弾性 / 準希薄溶液 / せん断流動 |
研究概要 |
ABA型トリブロック共重合体において、B成分鎖にとっては良であるがA成分鎖が会合するような選択溶媒中では、B成分鎖が会合点間をブリッジ状に結ぶような会合構造を形成するためにネットワーク構造を形成され、ゲル化が起こる。本研究では、トリブロック共重合体としてポリ(メチルメタクリレート)-b-ポリ(tert-ブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルメタクリレート)を用い、1-ブタノールを中央ブロック鎖に対する選択溶媒として用いて、両鎖ブロック鎖が温度降下に伴い会合することに起因する準希薄溶液のゾル状態からゲル状態への変化、さらに得られた物理ゲルに定常せん断流動場を施して大変形させた時の歪みと応力の関係について検討した。 温度降下に伴う鎖形動的粘弾性の変化から、測定した全ての高分子濃度において50℃から45℃の間で貯蔵弾性率が急激に増加することがわかった。希薄溶液の光散乱測定の結果と併せ、系のゲル化が両端ブロック鎖の会合によって起こっていることを示す。ゲル化した試料に段階的に流動歪みをかけ、流動停止後の静止時間の長さが、その後の流動時の応力-歪み曲線に及ぼす影響を調べた。静止により応力が十分緩和した場合でも、ストレスオーバーシュートの最大応力値は積算された歪みが増加するにしたがって小さくなった。またオーバーシュート後も完全な定常状態にはならず、いくつかのショルダーが伴って観測される。静止時間が短い場合、より小さな歪み位置にオーバーシュートが現れた。このような複数のオーバーシュートピークは、流動によって形成されたミクロクラスターのサイズ分布や、引き抜かれた鎖の再会合など、組み替え網目構造の特性が反映された挙動であると考えられる。
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