研究課題/領域番号 |
13031035
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野島 修一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20156194)
|
研究分担者 |
谷本 智史 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (50303350)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 結晶性ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / 結晶化 / ラメラくり返し構造 / 高次構造制御 |
研究概要 |
本研究で用いた結晶性-結晶性2元ブロック共重合体は、ε-カプロラクトン-エチレン2元ブロック共重合体(PCL-b-PE)である。真空下でアニオン重合法によりε-カプロラクトン-ブタジエン2元ブロック共重合体(PCL-b-PB)を合成し、白金系触媒下でブタジエンを水添し、種々の分子特性を持つPCL-b-PEを得た。これらのPCL-b-PEとその前駆体であるPCL-b-PBを用いて、(1)ブロック共重合体自身の作るミクロ相分離構造が引き続く結晶化に与える影響、(2)(結晶化速度の大きく異なる)2種類のブロック共重合体ブレンドの結晶化挙動、および、(3)一方の結晶化がもう一方の結晶化に及ぼす影響等について調べた。結晶化挙動と最終高次構造は、X線小角散乱(SAXS)法、シンクロトロン放射を用いる時分割SAXS法(SR-SAXS)、電子顕微鏡、および、示差走査熱量計により評価した。 1.CLブロックの分率が極めて小さく、かつ、全体の分子量が十分大きなPCL-b-PBはPCLブロックを内側にした球状ミクロ相分離構造を作る。この構造からPCL鎖を結晶化させると、直径20〜35nmの球内で結晶化が起こり、PCL鎖の結晶化度と融点は直径に依存した。しかし、ほぼ同じ大きさの球でも、構成ブロック共重合体の分子量が異なると、まったく異なる結果が得られる。球状ミクロ相分離構造中の結晶化は、球の大きさのみならず他の因子の影響も受けることが明らかとなった。(論文印刷中) 2.(結晶化速度の大きく異なる)2種類のPCL-b-PBのブレンド系の結晶化挙動は中間の結晶化速度を持つ単一のPCL-b-PBの結晶化挙動と同じであり、結果的には単一のラメラくり返し構造が形成する。単一ラメラくり返し構造中での長い鎖と短い鎖のコンフォメーションの相違について考察した。(論文印刷中) 3.種々のPCL-b-PEにおいて、熱履歴の相違による最終高次構造を調べた。PCLブロックが結晶化する際、高融点のPEブロックがすでに結晶化しているか否か、さらには、どのような高次構造を形成しているかがひき続くPCLブロックの結晶化挙動と最終高次構造に大きな影響を与える。このことは、この系の熱履歴制御による高次構造制御の可能性を示唆している。(論文準備中)
|