研究課題/領域番号 |
13033032
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
羽賀 新世 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30311905)
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研究分担者 |
井戸 章子 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (00336629)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | AMF / gp78 / receptor binding / metastasis / cell motility / AMF receptor / phosphohexose isomerase / 癌転移 / 細胞運動 |
研究概要 |
AMFは腫瘍分泌物中から発見された、細胞運動刺激因子である。その受容体(gp78)は糖蛋白質であり、AMF分泌量およびgp78発現量はともに腫瘍の悪性度と相関していることから、AMF-gp78は腫瘍悪性化因子と考えられている。最近、AMFは細胞内糖代謝酵素PHIと同一分子であったことが報告され、PHIとしての基質認識機構が、AMFとしての受容体認識機構に利用されていると仮定された。 本研究では、ヒトAMFを組換え型蛋白質として大腸菌に発現させることによって大量に得て、結晶化を行った。またPHIの阻害剤であるE4PとAMFとの複合体結晶を得た。得られた結晶についてX線解析を行いその立体構造を解いた。その結果、E4Pの各構成原子に有意に近い位置にあるAMFのアミノ酸残基を特定し、これらを他のアミノ酸に置換した変異AMFを18種類作成した。 gp78の細胞外ドメイン領域をコードする3種類の組換え型gp78を大腸菌に産生させた。これらのgp78は糖鎖修飾を受けていなかった。マウスgp78全長cDNAに対し、唯一カ所存在する、N-糖側鎖修飾部位を変異させ、蛍光蛋白質(GFP)とともにヒト腫瘍細胞株に安定発現させた。 以上の組換え型蛋白質および細胞等を用いた試験を行った結果、AMFのPHIとしての基質リン酸基認識部位を変異させたAMFでは、PHI活性の消失と共に、受容体結合能、細胞運動刺激活性いずれもが減少していた。糖側鎖を持たないgp78蛋白質はAMFによる細胞運動刺激に拮抗しなかった。糖側鎖を有するマウスgp78を発現した細胞をマウスAMFで刺激した場合、gp78の速やかな消失、発現が確認されたのに対し、糖側鎖を持たない場合、これが誘められなかった。従って、AMFのgp78認識にはgp78の糖側鎖が必須であり、その中にはリン酸基あるいはその類似構造が含まれるものと推察された。
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