研究課題/領域番号 |
13033042
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中津 亨 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, 連携研究員 (50293949)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | PSD-Zip45 / グルタミン酸受容体 / X線結晶構造解析 / シナプス / 自己重合 / ロイシンジッパーモチーフ / EVH1ドメイン / X線小角散乱 |
研究概要 |
本研究の目的は、グルタミン酸受容体(mGluR)に結合するタンパク質であるPSD-Zip45のX線結晶構造解析を行い、情報伝達が行われるときの仕組みを立体構造に基づいて明らかにしようとするものである。PSD-Zip45はC末端領域にロイシンジッパーモチーフが存在し、この部分を用いて自己重合を行うことでmGluRをシナプス後膜に集積させる。シナプス後膜における受容体の集積機構の解明にはC末端領域は非常に重要である。しかし、その一方でこの領域は非常にアグリゲーションを起こしやすいために結晶化を行うための大量調整には困難な点も多い。 我々のこれまでの研究で、PSD-zip45ファミリー内で保存されているN末端側186残基中、175残基までの領域についてX線結晶構造解析を行い、PSD-Zip45内の122残基以降の構造をとっていない領域の特定の部分(SPLTP配列)がmGluRへの結合領域であるEVH1ドメインと相互作用していることがわかった。このことからmGluRが存在することで、自己重合を開始する制御機構の存在が示唆された。 そこで次に、この領域の水溶液中での挙動を調べるために、X線小角散乱により水溶液中でのこの領域の形状を測定した。その結果、分子の最大長が80Å程度であり分子のRcが9Å程度であることがわかった。この形状は構造をとっていない112残基以降の部分が自由に運動しているときの単量体分子の大きさによく一致した。このことは、結晶格子中で観察されたEVH1ドメインとSPLTP配列の相互作用が水溶液中では起きていないことを示していた。そこで、全体的な構造を明らかにするためにまずPSD-Zip45の全長の精製条件を検討した。その結果、精製バッファーに還元剤として2-メルカプトエタノールを添加することでPSD-Zip45の安定性が向上し、回収量及び精製純度が共に改善された。
|