研究課題/領域番号 |
13035002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | アクチン骨格 / LIMキナーゼ / コフィリン / 神経成長円錐 / 後根神経節 / 神経 / アクチン / 成長円錐 |
研究概要 |
LIMキナーゼ(LIMK)は、アクチン切断・脱重合因子であるコフィリンをリン酸化して不活性化することでアクチン骨格の再構築を制御するシグナル分子である。LIMKは、低分子量G蛋白質Rhoファミリーの下流で働き、Rho、RacのエフェクターであるROCK、PAKによってリン酸化され活性化される。LIMKファミリーの中でLIMK1は、神経系に高発現していることから、神経組織において機能することが示唆されており、脊髄後根神経節(DRG)細胞の神経成長円錐に対するセマフォリンによる退縮刺激に対して、LIMK活性が必要であることが明らかとなった。また、私たちは、コフィリンの脱リン酸化酵素としてSlingshotを同定した。本研究は、これらの分子による神経成長円錐内のアクチン骨格再構築に対する機能解明を目的として解析を行った。トリDRG細胞にLIMK1を過剰発現させ、YFP-アクチンにより軸索成長円錐を可視化し、運動性と形態変化を観察した。その結果、LIMK1の過剰発現により成長円錐の運動性は極端に抑制され、進展速度が低下し、退縮した形態となった。これに対し、コフィリン、Slingshotを過剰発現させた場合、その運動性、進展速度が上昇したが、成長円錐の正常な広がりがなくなり、細く枝分かれの多い形態となった。また、LIMK1の過剰発現による運動性の低下は、コフィリンの活性型、Slingshotの過剰発現によって回復した。これらの結果から、コフィリンのリン酸化レベルの制御が成長円錐の運動性と形態を決定するアクチン骨格制御の重要な要素であることが明らかとなった。また、伸展・退縮、方向転換といった正常な成長円錐の形態変化と運動を行うためには、コフィリンの活性がLIMK1やSlingshotによって時間的・空間的に制御されていることが必要であることが示唆された。
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