研究課題/領域番号 |
13035011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
入來 篤史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70184843)
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研究分担者 |
田中 美智雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (00057738)
石橋 英俊 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60334439)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | サル / 高次脳機能 / 道具使用 / 神経栄養因子 / 神経投射 / 多種感覚統合 / ニホンザル / 頭頂葉 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
身体部位の空間的位置の脳内表象である身体像は、体性感覚と視覚情報を組み合わせることで形成される。我々はこれまでの電気生理学的手法を用いた研究から、ニホンザルの熊手型道具使用が引き起こす身体像変化(手の身体像が道具の先端にまで延長する)に対応すると思われる神経細胞レベルでの応答変化を示している。 また、この身体像変化は視覚反応性の獲得を基盤に持つことを示唆する結果を得ている。本研究では、分子生物学的手法を用いて、身体像変化のもととなる視覚反応性獲得の分子的基盤を明らかにすることを目的とした。頭頂間溝前壁では道具使用学習により、神経可塑性への関与を示されている。 zif-268やBDNFなどの発現量が増加することを見いだした。これらの発現量増加は道具使用学習時期にのみ見られ、道具使用を既に獲得したサルが実験群と同様に道具使用を行っても見られなかった。すなわち、上記遺伝子発現は道具使用の遂行ではなく、学習に依存して発現が刺激されていたことになる。さらに、道具使用訓練を受けたサルと対照動物のそれぞれに逆行性・順行性トレーサーをすることで、道具使用訓練により頭頂間溝前壁への神経投射を増加する脳領域を解析した結果、視覚関連領野からの投射が増加していた。これらのことから、道具使用訓練によって視覚野から頭頂葉体性感覚野への投射が増えることが、道具が手の延長のように感じる内観をもたらす身体像変化の基盤であるとの示唆を得た。
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