研究課題/領域番号 |
13035036
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鍋倉 淳一 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50237583)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | 脳由来神経成長因子 / GABA / 大脳皮質 / 海馬 / 発達 / パッチクランプ / 受容体 / 神経成長因子 / カリウムチャネル / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
発達期ラット大脳皮質視覚野第5層から急性単離した神経細胞にパッチクランプを適用し、BDNFのGABA応答に対する急性作用を検討した。生後14日目においては、BDNF投与数分後からGABA-A受容体応答およびGABA作動性微小シナプス電流の大きさの漸増が観察された。このGABA-A応答の増強はBDNF投与終了後も数十分から数時間持続した。BDNFによるGABA-A増強の発生にはtrk-B,PLC-gammaおよび細胞内カルシウムイオン上昇の細胞内シグナル伝達系の活性化が必須であるが、増強の維持には必要ないことが判明した。結合実験によって、細胞表面におけるGABA bindingがBDNF投与数分後には増加し、これはK252によってブロックされることが判明した。以上の結果から、生後14日目においてはBNDFは細胞膜表面のGABA-A受容体数を増加させることによってGABA応答の長時間増強を惹起している可能性が示唆された。 BDNFのGABA-A応答への作用は生後28日目には増強-抑制の細胞間ばらつきが生じ、生後40日目には殆どの細胞においてBDNFはGABA-A応答を長期に抑制した。ラットにおいて臨界期前後でBDNFのGABA-A受容体応答に対する急性作用が増強から抑制にスイッチすることが示唆された。 これに対し、海馬CA1錐体細胞においてはこのBDNFによるGABA応答のスイッチングが生後8日目から14日目においておこり、BDNFの抑制系に対する作用のtime windowに脳内部位差が存在することが判明した。
|