研究課題/領域番号 |
13035039
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松山 清治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40209664)
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研究分担者 |
小林 卓 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50325867)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 脊髄交連細胞 / 歩行リズム / 歩行運動 / 脊髄介在細胞 / 腰髄 / ネコ / 順行性神経標識 |
研究概要 |
【目的】本研究では左右後肢交互歩行リズムの基礎的発現・制御に関わる腰髄交連細胞機構の構築・作動様式の解明を目的としている.本年度はこの神経機構を構成する神経要素の形態的特徴の抽出を目的としてその軸索投射様式について解析した。 【方法】ネコの大腿四頭筋支配連動ニューロン層が分布する第5腰髄レベルでVIII層交連細胞層を電気生理学的に同定し、順行性神経トレーサー(BDA)を局所注入した。4週間後に動物を灌流固定し、腰仙髄部の連続切片標本を作製した。BDA順行性標識軸索の中で腰髄中心線を交叉し注入反対側に進入する交連軸索群のL3-S2レベルにおける投射様式について解析した。 【成績・考察】標識交連軸索群は走行方向により上行性、下行性、両方向性に分類され、中でも前2者が多数を占めた。また交連軸索には走行部位により前索・前側索を中心に走行する軸索群と側索まで移動する軸索群の2群が認められた。これら軸索群は交叉レベルと同髄節および隣接する髄節に対して強い投射を示したが、前者の軸索は主としてVIII-VII層に後者はIX層に投射した。連続切片上より交連軸索の走行軌跡を連続追跡し、単一軸索レベルの脊髄内分枝様式についても解析した。追跡同定された交連軸索の中で下行性および両方向性走行を示す軸索群は腰仙髄内で多数の軸索側枝を高頻度に分枝していた。しかし、上行性軸索群は中でも走行が腰髄内で終止する軸索は高頻度分枝を示したが、腰髄を越えてさらに吻側に走行する軸索の腰髄内分枝頻度は低かった。以上の成績よりVIII層交連細胞機構は多様な神経要素から構成されることが明らかとなり、この神経機構全体として左右後肢の交互リズム運動の多様性発現への関与が示唆された。 以上の成績を平成14年7月の第26回日本神経科学大会(東京)および同年11月の第32回北米神経科学学会大会(Orlando,Florida)で発表した。
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