研究課題/領域番号 |
13035041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40295639)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 神経科学 / 神経幹細胞 / トランスジェニックマウス / イムノトキシン / 記憶・学習 / GFP / 成熟脳 / 神経細胞新生 |
研究概要 |
近年成熟動物でも中枢神経組織に神経に分化しうる神経幹細胞の存在が示されてきたが、その機能は明確にはされていない。成熟した動物においてもそのような神経幹細胞から成熟し、分化したニューロンが神経回路網に組み込まれ、情報処理の役割を担うのであろうか?最近、神経幹細胞からのneuronの新生が記憶や学習に関与している可能性を強く示唆する結果がいくつかのグループによって示されているが、厳密に神経幹細胞からのneuronの新生が記憶学習に必要であるかを検討した報告は未だない。本研究ではそのような疑問に答えるために、新たな情報を記憶学習するときに神経幹細胞が必要であるかを検討していく。この目的のためにネスチンのプロモーター/エンハンサーの構築を用いてIL-2R/GFPをトランスジェニックマウスに発現させ、IL-2R抗体にシュードモナス外毒素の一部を融合したimmunotoxin (Anti-Tac(FV)-PE38)を脳内、主として脳室および海馬領域にstereotaxicにmicroinjectionすることにより神経幹細胞を時空間特異的に除去できるモデル動物実験系を確立することを試みた。 IL-2R/GFP、anti-Tac(FV)-PE38の発現ベクターは中西(京都大学)、Pastan(NIH)らに供与を受けた。ネスチンプロモーター/エンハンサーの構築は、Enikolopov(Cold Sprihg HarborLaboratory)がGFPを発現するのに利用した実績が有るものを利用した。マウスの系統は海馬依存的な行動を検討する為にはC57BL/6のbackgroundへのcongenic動物とした。IL-2R/GFPを発現している細胞が本当に神経幹細胞であるかどうかは、分布、形態、BrdU取込み能、ネスチンに対する免疫染色で確認する。研究開始当初、transgene陽性のラインがわずかしかとれず、研究期間年度内に作成したtransgene陽性マウス2匹の脳を解析した結果、脳室周囲および海馬領域に十分なGFPの蛍光を認めることができなかった。Transgene挿入確認のためのPCRに用いるプライマーを変えたところ、新たにtransgene陽性マウスのラインが12得られたため、現在F1を作成中である。PCRに用いたプライマーが不適切であったことが原因の一つと推測される。当初の目的に見合うトランスジェニックが得られたら、速やかに神経幹細胞特異的除去ならびに海馬依存的行動(Morris water maze)による記憶・学習行動の検討へと研究を進めていく予定である。
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