研究課題/領域番号 |
13035048
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 講師 (50228144)
|
研究分担者 |
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 線条体 / ドーパミン / 細胞内情報伝達系 / リン酸化 / DARPP-32 / ギャップ結合 |
研究概要 |
線条体にはドーパミンにより制御されるリン酸化蛋白DARPP-32 (dopamine-and cAMP-regulated phosphoprotein of Mr 32kDa)が選択的に発現している。DARPP-32はプロテインキナーゼA (PKA)によりThr34残基がリン酸化されるとプロテインフォスファターゼ1 (PP-1)活性抑制蛋白として、神経型サイクリン依存性キナーゼ(Cdk5)によってThr75残基がリン酸化されるとPKA活性抑制蛋白として作用する。DARPP-32はイオンチャンネルやレセプターの機能を調節しており、ドーパミンが効率的に作用するために必須なリン酸化蛋白である。 線条体ニューロンにおけるDARPP-32リン酸化調節機構の薬理学的解析で、線条体-黒質神経路を構成するdirect pathway neuronと線条体-淡蒼球神経路を構成するindirect pathway neuronでは神経伝達物質による情報伝達パターンが異なることを示唆する知見を得ている。代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)作用の解析では、mGluR5活性化によりDARPP-32のThr34残基のリン酸化が促進されること、Thr34残基リン酸化促進は内因性アデノシン作用の増強によりcAMP産生が亢進した結果であること、mGluR5によりERKが活性化されアデノシンA_<2A>受容体機能を促進することを明らかにした。つまり、mGluR5は選択的にindirect pathway neuronのアデノシンA_<2A>受容体作用を増強している。また、ニコチン性アセチルコリン受容体作用の解析では、ニコチン低濃度(1μM)では選択的にindirect pathway neuronに作用し、ニコチン高濃度(100μM)では選択的にdirect pathway neuronに作用することを示唆する結果を得ている。これらのシナプス情報伝達、細胞内情報伝達の解析により得られた結果をもとに、さらに、線条体ニューロン間情報伝達の解析へと展開して行きたい。
|