研究課題/領域番号 |
13037019
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲葉 カヨ 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)
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研究分担者 |
高原 和彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90301233)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 樹状細胞 / T細胞活性化 / サブセット / 抗原捕捉 / クロスプレゼンテーション / 免疫寛容 / クロスプレゼンテイーション |
研究概要 |
樹状細胞は強力な抗原提示細胞として働くことが明らかであるが、中枢性免疫寛容の誘導においても中心的役割を果たすことが知られている。本研究では、生体内樹状細胞の末梢免疫寛容の誘導における役割を検討すると同時に樹状細胞サブセットの機能について検討し、以下の結果を得た。 1)生体内に標識した可溶性蛋白やラテックス粒子、同系あるいは異系の生細胞や薬剤処理あるいは紫外線照射によりアポトーシスを誘導して投与し、樹状細胞による捕捉を検討したところ、リンパ系器官においては投与細胞はCD8^+サブセットに選択的に取り込まれ、しかも、それらの細胞によってのみ異系細胞由来の抗原がMHCクラスII分子だけでなく、MHCクラスI分子を介しても有効に提示されることが示された。また、異系生細胞はホストのNK細胞によって殺傷され、その結果樹状細胞によって捕捉されることも明らかにされた。 2)TAPあるいはβ2m欠損マウス脾細胞にOVAを負荷し生体に投与した場合にも、それらはCD8^+樹状細胞によって捕捉されることが示され、その結果生体内では抗原特異的CD8^+T細胞除去が誘導されることも明らかになった。これら除去されるT細胞はIL-2を産生し、一過性の細胞増殖を行うが、IFN-γ産生能は獲得せず、細胞死に陥ることを示す結果も得られた。 3)Id2遺伝子欠損マウスの免疫応答能がTh2に偏向することから、生体内樹状細胞の分布とサブセットを検討したところ、このマウスでは形質細胞様前駆樹状細胞やCD11b^+CD8^-樹状細胞の存在は正常マウスと差は認められなかった。しかし、CD11b^<low>CD8^+樹状細胞数は激減していることが明らかになった。しかも、後者は活性化刺激に対して前者に比べて遙かに多くのIFN-γを産生することから、これらサブセット間の均衡以上が免疫応答能の極性化に作用する可能性も示唆された。
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