研究課題/領域番号 |
13037022
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 三重大学 (2002) 大阪大学 (2001) |
研究代表者 |
緒方 正人 三重大学, 医学部, 教授 (60224094)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / p38 / LPS / TNF-α |
研究概要 |
MAPキナーゼ(MAPK)のp38は、自然免疫、獲得免疫の両面で重要な制御分子とされるが、個体レベルの免疫制御機能は明らかでない。我々は、チロシン脱リン酸化酵素のLC-PTPが、p38のCD領域に結合することを初めて明らかにした。さらに、p38のCD領域にsem型の点突然変異を導入したノックインマウスを作成し、その解析を行った。 sem型p38のノックインマウスは生存可能で、T、Bリンパ球画分には著変を認めず、Tリンパ球を抗CD3抗体で活性化した際の細胞増殖やIL-2産生にも大きな影響を認めなかった。一方、LPSに対する応答性は大きく低下していた。マウス腹腔にLPSを投与し、野生型マウスが全例死亡する条件下で、sem型p38マウスの半数が生存した。sem型p38マウスでは、LPSによるTNF-αの産生がほぼ完全に消失しており、これがLPS抵抗性の原因と考えられた。sem型p38マウスにおける細胞内シグナル異常を検討したところ、sem型p38は、基質であるMAPKAP2と結合せず、これを活性化できないことが判明した。MAPKAP2ノックアウトマウスでTNF-α産生が見られなくなると報告されており、これがTNF-α産生低下の原因であることが明らかになった。 p38ノックアウトマウスは胎生致死と報告されているが、sem型p38のノックインマウスはLPS低応答性を示すが生存可能である。この結果は、p38の下流にMAPKAP2など、より炎症制御に特異的な分子標的が存在すること示すものと言える。
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