研究課題/領域番号 |
13037030
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
竹田 和由 順天堂大学, 医学部, 講師 (80272821)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | NKT細胞 / NK細胞 / TRAIL / IFN-γ / α-galactosylceramide / 血管新生 / 自然免疫 / 特異的免疫反応 / CD28 / CD154(CD40L) / IL-12 / Th1 / Th2 |
研究概要 |
NKT細胞の特異的リガンドであるα-galactosylceramide(α-GalCer)が抗腫瘍効果を有することは分かっているが、その作用機序は明らかでは無い。我々はα-GalCerにより誘導されるIFN-γによりNK細胞にTumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand(TRAIL)が発現し、これを介した腫瘍細胞の傷害が作用機序の一つであることを報告した。同時に、活性化されたNK細胞からもIFN-γが産生されることが重要であることを見いだし、今回腫瘍モデルを用いてNKT細胞とNK細胞による獲得免疫を制御するメカニズムの解析を行った。 1.α-GalCerの抗腫瘍効果には、INF-γがNKT細胞活性化後にNK細胞により継続的に産生されることが重要なことを明らかにした。さらに抗腫瘍効果が腫瘍細胞の直接の傷害以上に、IFN-γを介した血管新生の抑制により主に発揮されていることを示した。これにより、NKT細胞やNK細胞から産生されるIFN-γは細胞傷害活性の増強、TRAILの発現誘導、腫瘍のTRAIL感受性増強以外にも、血管新生の抑制などにより多機能的に抗腫瘍反応を誘導することが示された。 2.NK細胞から産生されるIFN-γの重要性を探るべく、MHCを欠損した腫瘍細胞にCD70またはCD86を遺伝子導入して、NK細胞にのみ特異的にIFN-γ産生を誘導する実験系を作成した。この系を用い、NK細胞から産生されたIFN-γが非特異的な腫瘍拒絶のみならず、その後のT細胞依存的な特異的免疫反応による腫瘍拒絶をも誘導しうることを見いだした。 以上により、自然免疫系に属するNK細胞やNKT細胞がIFN-γを介して、その後の特異的な免疫反応の調整を行っていることを明らかにできたと考えられ、治療への応用が今後の課題となる。
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