研究課題/領域番号 |
13037035
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
王 継揚 千葉がんセンター, 病理研究部, 研究員 (80231041)
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研究分担者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究院・分化制御, 助教授 (20208523)
田川 雅敏 千葉がんセンター, 病理研究部, 部長 (20171572)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 免疫学 / 遺伝子 / リンパ球 / アポトーシス / シグナル伝達 |
研究概要 |
平成14年度は、引き続き活性化B細胞で発現誘導される遺伝子Clast3と発現抑制される遺伝子Clast5の機能解析を行った。Clast3の発現をantisense oligoで抑制すると、分裂中期の細胞がアポトーシスに陥ることが判明した。逆に、Clast3を強発現させた細胞では、細胞の異常分裂を伴うDNAの倍数化現象と多核形成が誘導された。これらの結果より、Clast3は正常な細胞分裂に必須であるが、その発現は細胞周期依存性に厳密に制御されていなければならないことがわかった。一方、Clast5のin vivoにおける機能を明らかにするために、トランスジェニックマウス(Tg)を作製し、解析を行った。Clast5-Tgでは、体重はコントロールと変わりないものの、脾臓や胸腺が小さく、脾細胞数、胸腺細胞数ともには約半分以下に減少していた。また,Clast5-Tgの胸腺においては、CD44^+25^+のPro-T及びCD44^-25^+のPre-T細胞が減少し、初期T細胞の分化、増殖が阻害されていた。骨髄ではPro-B及びPre-B細胞が明らかに減少し、初期B細胞分化が著しく障害されていることが分かった。種々の刺激に対する脾細胞の増殖反応を調べたところ、Clast5-Tgでは、CD40 ligand(CD40L),抗IgM抗体,抗CD3抗体,Con-Aなどに対する反応性が低下していた。また骨髄では、IL-7に対する反応性が低くなっていた。さらに、Clast5-TgマウスをDNP-OVAで免疫した結果、12日目の脾臓ではB220^+PNA^+の胚中心B細胞が減少していた。以上の結果より、Clast5は抗IgM抗体、CD40L、IL4などの刺激によりその発現が速やかに抑制されること、また、強制発現させると、B及びTリンパ球の活性化が障害されることが判明した。従って、Clast5はB及びT細胞抗原レセプターをはじめ、様々な補助刺激分子やサイトカインレセプターからのシグナルの核内ターゲットで、リンパ球の活性化の閾値を決定する転写因子であることが示唆された。
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