研究課題/領域番号 |
13039006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳澤 修一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20222359)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 環境 / シグナル伝達 / 植物 / 防御遺伝子 / 転写因子 / 転写 / エチレン / シグナル応答 |
研究概要 |
エチレンは植物防御遺伝子の発現を制御する重要なシグナルである。本年度は、アラビドピシスのエチレン応答において中心的な役割を担う転写因子EIN3の活性制御のメカニズムに関して解析を進めた。昨年度のトウモロコシのプロトプラストを用いた解析により、エチレンと拮抗するシグナル分子として働くグルコースはEIN3の分解を促進して、EIN3の転写促進活性を抑制することが明らかにしている。そこで、まず、アラビドピシスのプロトプラストを用いて同一の現象が起ることを確かめた。グルコースは野生型のアラビドピシスのプロトプラスト中ではEIN3の転写促進活性を抑制したが、グルコースセンサーとして機能するヘキソキナーゼの遺伝子に変異をもつmutant(gin2)のプロトプラスト中では促進活性を抑制しなかった。従って、EIN3のグルコース応答はヘキソキナーゼ依存型シグナル伝達系によって制御されていることが確かめられた。さらに、植物個体レベルでこの知見を確認するために、FLAG標識したEIN3を発現している形質転換アラビドピシスを作成して解析を行った。EIN3タンパク質のレベルの調節がシグナルに応答する上で重要であるという考えと一致して、この形質転換アラビドピシスは、エチレンシグナルに対して高感受性の表現型を、そしてグルコースシグナルに対して低感受性の表現型を示した。さらに、この形質転換アラビドピシスを用いて、エチレンとグルコースシグナル応答時におけるEIN3の分解速度を知らべたところ、エチレンはEIN3の分解を遅らせ、グルコースはEIN3の分解を促進することがわかった。さらに、ユビキチン依存型タンパク質の分解系の阻害剤であるMG132はEIN3の分解を阻害したことから、植物のエチレン応答にはユビキチン依存型タンパク質の分解系を介した転写因子EIN3の安定性の制御が重要であることが示唆された。
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