研究課題/領域番号 |
13041018
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10208423)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 遺伝子 / 言語学習 / 行動学 / 神経科学 / 発現制御 |
研究概要 |
ヒト言語学習のモデル実験系として有望なキンカチョウの歌制御中枢を材料として、学習による言語中枢形成機構の解明を試みた。具体的には歌学習過程における転写因子CREBの活性花状態と下流遺伝子の発現変動を調べることにより、CREBの活性化が歌学習機構においで果たす役割を明らかにするとともに学習過程の指標どなる遺伝子を検索し、学習によって言語中枢で何が変化するのか突き止めることを目指した。これまで、マウスやショウジョウバエでPKCなどさまざまな遺伝子破壊実験により、長期記憶が低下したとの論文が報告されていたが、学習によって脳内の器質的変化を見い出し得たとの報告は無い。ところが、我々の観察している、CREBのリン酸化と、その下流遺伝子の発現パターンを指標にすると、学習による脳内の変化を検出できる可能性がある。キンカチョウの歌は、学習依存的でかつその歌学習にも臨界期が存在し、言語学習モデルとして海外で注目されつつあるが、分子生物学的解析が極端に遅れていた。我々は本年度、キンカチョウ脳の歌中枢に発現するグルタミン受容体19種をクローニングした。その結果、転写因子CREBと同様、、グルタミン受容体のほとんどが、哺乳類の相同分子に対して、アミノ酸配列上90%以上の相同性を有することが判明した。またこれらのグルタミン受容体の特異的配列をプローブとした分子マッピングにより、キンカチョウ脳の歌中枢のそれぞれに特異的に発現するグルタミン受容体サブセットが明らかとなった。また、歌学習臨界期に特異的に歌中枢に発現する遺伝子も認められ、キンカチョウを言語学習モデルとして使うことにより、言語学習の基本的メカニズムに迫まり得る可能性が見い出された。
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