研究課題/領域番号 |
13041046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中越 英樹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50314662)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 視覚認識 / 光受容細胞 |
研究概要 |
ショウジョウバエの視覚認識行動に異常を示す突然変異体の原因遺伝子として同定したdefective proventriculus(dve)遺伝子は、ホメオボックスを持つ転写制御因子である。dve遺伝子上流の発現制御領域によって標識される神経細胞群(Dve標識細胞)の軸索は視覚中枢に投射しており、Dve標識細胞にテタヌス毒素を発現させ、その神経活動を阻害すると、視覚認識行動が異常になる傾向が認められている。 Dve標識細胞の染色は、光受容細胞(R1-R6)の投射先であるlaminaにおいても確認されたが、その遺伝子発現は蛹後期から成虫にかけてのみ観察された。一方、Dve抗体による染色では、同時期におけるlaminaでの発現は検出されず、蛹初期lamina予定域の細胞群で発現が確認された。つまり、Dveタンパク質は、蛹初期のlaminaにおいて一過性に発現し、その後の発現は抑制されているようである(Dve_+細胞)。腸管および翅原基における解析の結果、dve遺伝子の一過性発現が細胞機能特性を付与するために重要であることから、蛹期のlaminaにおける一過性のdve発現が視覚認識に関わる神経回路網形成に重要であるものと考えられる。Dve^+細胞は、laminaニューロンマーカー(Dac)の発現と一致しないことから、グリア細胞である可能性が高い。また、蛹後期以降は、光受容細胞(R1-R6)においてもdve遺伝子発現が誘導されることが明らかとなった。この時期には光受容細胞の運命決定、軸索の投射などはすでに完了しているため、光受容細胞(R1-R6)の投射先に存在するDve標識細胞とともに何らかの神経機能の制御に関与している可能性が考えられた。
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