研究課題/領域番号 |
13041063
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
籾山 明子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00333279)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 脊髄視床路ニューロン / 痛み / NMDA受容体 / wind-up / 逆行性標識 / 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 / 薬理学 |
研究概要 |
ラット(生後2週齢)の視床VPL核に、麻酔下において蛍光ラテックスビーズの注入手術を行った。その数日後、腰部脊髄のスライス標本(厚さ400ミクロン)を作製し、逆行性に標識されたスライス内の脊髄視床路(STT)ニューロンを、蛍光顕微鏡下に同定した。主として深部後角に分布するSTTニューロンからパッチクランプ記録を行った。従来、麻酔下ラット脊髄からの細胞外記録法によって報告されているwind-up現象、すなわち痛み信号を伝達するC線維の低頻度繰り返し刺激によって脊髄ニューロンの興奮性が漸増する現象が、スライス標本の痛み信号出力ニューロンであるSTTニューロンにおいて、再現するか否かを、第一に検討した。灌流液中に抑制性伝達物質受容体チャネルのブロッカーを投与した条件下で、興奮性シナプス入力のみを薬理学的に単離し、細胞外通電で刺激した。この際にSTTニューロンに誘発される活動電位を、セルアタッチト法による細胞外記録法または、ホールセル法による細胞内記録法によって検出し、その頻度や時間的パターンの解析を行った。 1)約半数のSTTニューロンにおいて、低頻度(0.03-0.1Hz)刺激により、誘発される活動電位スパイク個数が時間とともに増加する例が認められた。これらのニューロンにおいては、刺激1発あたりのスパイク個数は、刺激開始時に比べwind-up後では平均3倍以上に増加した。 2)スパイク個数の増加が定常状態に達した後、NMDA受容体の選択的ブロッカーであるAP5(100μM)を灌流液中に投与すると、スパイク個数は刺激開始時と同じ程度にまで減少した。 以上の結果は、スライス標本中のSTTニューロンの一部においてもwind-up現象が出現し、それにはNMDA受容体が関与していることを初めて示したものである。
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