研究課題/領域番号 |
13043021
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
濱口 道成 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90135351)
|
研究分担者 |
岩本 隆司 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助手 (60223426)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | SHPS-1 / v-Src / チロシンリン酸化 / 細胞接着 / 接着斑 / 足場非依存増殖 / 癌化 |
研究概要 |
癌の本質は、無規律的な細胞増殖にある。この異常な細胞増殖は、培養細胞で「足場に依存しない細胞増殖」として再現される。今日、正常細胞の細胞増殖・細胞周期制御機構はかなりの詳細が明らかになった。しかし残念な事に、正常細胞と癌細胞の増殖の分水嶺となる「足場依存細胞増殖機構」については殆ど分っていない。我々は、数年来「適格な実験系」の開発に取り組み、ついに成功した。この系は、癌遺伝子v-srcで癌化した細胞(SR3Y1)に、細胞膜糖蛋白質SHPS-1を発現する事により樹立できた。SHPS-1発現SR3Y1は、形態はSR3Y1と変わらず癌化しており、通常の接着状態での増殖はSR3Y1と遜色ない。しかし驚く事に、軟寒天培地中での増殖は強く抑制され、ヌードマウスでの造腫瘍性を失っていた。本年は、まず種々の変異型SHPS-1遺伝子の開発に取り組むと共に、その癌細胞への発現と機能解析を行った。作製した主な変異遺伝子は、細胞質側あるいは細胞外側を単純に欠失もの、細胞質側にあるITEMモチーフと呼ばれる部分のリン酸化を受けるチロシン残基をフェニールアラニンに改編したものである。更に、これら変異型SHPS-1発現SR3Y1を用いて、接着に伴う細胞展開の変化を詳細に解析した。その結果、SHPS-1は細胞の接着と展開を制御する蛋白質である事、この機能発現の為にはSHPS-1の細胞質側リン酸化部位が保存されている必要がある事、癌細胞はSHPS-1の発現を失った為に基質への接着が著しく低下した事を発見した。
|