研究課題
特定領域研究
M期開始制御は、チェックポイントやストレスレ応答に重要である。本研究では、分裂酵母における細胞極性をモニターする新規チェックポイントと、出芽酵母におけるシグナル伝達経路によるG2-M期制御について解析し、以下の知見を得た。1 細胞極性をモニターするチェックポイント(分裂酵母):(1)Furry様タンパク質Mor2が細胞極性制御に重要で、極性成長領域に局在することがわかった。また、mor2変異はアクチン細胞骨格の局在異兼をもたらし、同時に、Wee1キナーゼ依存的G2期遅延を誘導することがわかった。この結果は、分裂酵母が細胞極性をモニターする新規チェックポイント機構をもつことを示唆した(EMBO J. 2002)。(2)進化上保存された分子(MO25様Pmo25、GCキナーゼNak1、Mor2、NDRキナーゼOrb6)が、細胞極性と細胞分離に重要な細胞形態形成ネットワーク(MOR)を構成することを見いだした。さらに、細胞質分裂の開始を制御するSINが、Pmo25の細胞内局在と細胞周期間期のNak1-Orb6キナーゼ活性を制御することを見いたした(EMBO J. 2005)。2 情報伝達経路によるG2-M期制御(出芽酵母):(1)エタノールの添加が、アクチン細胞骨格の一過的分散をともなうSwe1キナーゼ依存的G2期遅延を誘導することを見いだした。また、この機構が、細胞サイズコントロールに重要であることを示唆した(Biosci.Biotech.Biochem. 2004)。(2)zds1変異株のカルシウム依存的表現型(G2期遅延と極性成長)の抑圧変異遺伝子として、SAH1(S-adenosyl-L-methionine hydrolase)を同定した。解析の結果、S-adenosylmethionineがG1期制御に関与することがわかった(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2002)。(3)calcineurinとHOG-MAPK情報伝達経路が、G2-M期制御と細胞極性制御において、拮抗的に機能することを見いだした(J.Biol.Chem. 2004)。(4)Pkc1がカルシウムに応答して、Cln2のタンパクレベルの維持と出芽部位の極性成長に重要な機能を持つことを示した(J.Cell Sci. 2005)。
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