研究概要 |
1,Spo4の細胞内局在の決定 Spo4タンパク質のC末端にHAタグをつけ、染色体に組み込み間接蛍光抗体法により観察した。その結果、Spo4の発現は減数分裂時のみに見られ、他のCdc7キナーゼ同様核に局在した。調節サブユニットDbf4はCdc7を複製起点周辺にリクルートすると考えられているが、Spo4の調節サブユニットSpo6破壊株でSpo4の局在を見たところ大きな変化は見られなかった。以上のことからSpo6はSpo4の局在に必要ではないか、あるいは核内の特定の場所への局在に必要ではないかと考えられる。以上の結果はMolecular and Cellular Biology誌に掲載された。 2,spo4+の周辺で働く遺伝子の取得 Two-hybrid法を用いてSpo4と物理的に相互作用する遺伝子の取得を試みた。その結果、22のポジティブクローンを取得した。これらすべての塩基配列を決定したところ、6種類の遺伝子が取得された。それはもう一つのCdc7キナーゼHsk1の調節サブユニットHim1,Spo4の調節サブユニットSpo6、セントロメアの構造維持に関わるCbf1ホモログやtranslinなど非常に興味深い遺伝子が含まれていた。またHim1とSpo4の分裂酵母細胞内での相互作用を確認した。このことから、分裂酵母には少なくともHsk1/Him1,Spo4/Spo6,Spo4/Him1の3つのCdc7-Dbf4キナーゼ複合体が存在することが明らかになった。
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