研究課題/領域番号 |
13045003
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田村 宏治 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (70261550)
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研究分担者 |
井出 宏之 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70022704)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 四肢 / 肢芽 / 形態形成 / 前肢 / 後肢 / Tbx / 遺伝的発現 / 軟骨魚類 |
研究概要 |
今年度は、四肢位置の決定と細胞死の関係を調べるため、胚体内の局所的な細胞死の分布状態を調べた。まだ予備的な観察であるが、肢芽形成期に前肢と後肢の間(わき腹)の部分に特異的な細胞死が観察された(東北大医学部の若松先生との共同研究)。また、FGF10添加による背中AER形成が哺乳類でも起こるかどうかを調べる目的で、マウス胚の全胚培養技術を獲得した(東北大医学部の大隅先生との共同研究)。 一方で、前肢・後肢の違いを生み出す機構を明らかにする目的で、さまざまな移植実験・組織培養実験を用い、tbx5/4遺伝子発現を指標にして解析を行った。その結果、前後肢identityの獲得は側板中胚葉の中で自立的に行われるのではなく、他の組織からの影響、とくに中軸組織からの誘導と抑制の作用が大きく影響していることを見出した(Saito et al.,2002)。さらに、詳しい移植実験とリアルタイムPCR機の導入による解析により、前後肢identity決定に関わる中軸組織が体節である可能性を占めるデータを得た。 四肢位置を決めるメカニズムの多様性と相同性を解析するために、トラザメ胚からfgf8、msx遺伝子の部分配列をPCR単離し、発現解析を行った。その結果、トラザメ胚ではわき腹の部分に鰭状の構造は観察されないものの、高等脊椎動物(四足動物)では、四肢位置に限局して発現するmsx遺伝子がわき腹にも発現していることを見出した。現在、他のいくつかの遺伝子マーカーとの発現比較を検討中であるが、これらの事実は、四肢および鰭構造が、体側部全体に存在する鰭形成能力の一部として形成されているという、我々の当初の仮説を裏付けるものであり、興味深い発見である。現在、論文投稿を準備している。
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