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細胞極性形式の基本原理:神経細胞の極性逆転現象を用いた解析

研究課題

研究課題/領域番号 13045007
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関群馬大学

研究代表者

林 謙介  群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (50218567)

研究期間 (年度) 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワードラット / 神経細胞 / 細胞極性 / 生長円錐 / 細胞移動 / 軸索再生
研究概要

発生生物学では細胞極性の形成機構は主要な課題であるにもかかわらず、細胞極性という言葉は未だに一つの概念にすぎない。細胞極性はいろいろな細胞でいろいろな場面に現れるが、それらが同じ一つの基本原理に基づくものであるかどうかは不明だ。そこで本研究では、細胞極性の共通原理を理解することを目指し、神経細胞の発生過程のうち、細胞移動と突起形成の2つのステップをインビトロで再現し、それぞれ細胞極性が逆転する現象を観察した。
大脳皮質の抑制性ニューロンは、発生初期に他の領域から移動して来ることがわかっている。胎児期大脳皮質の神経細胞をグリア細胞の上に培養すると、やはり抑制性ニューロンは興奮性ニューロンに比べて特に高い移動能をもつことがわかった。抑制性ニューロンは培養中に頻繁に移動逆転を起こし、移動逆転に伴って細胞内小器官が回転していた。
古くから、さまざまな種類の動物の生体内で神経の軸索を細胞体の近くで切断すると樹状突起から軸索が再生してくることが報告されてきた。そこで樹状突起から軸索が再生する現象を培養条件下で再現することを試みた。出生直後のラットの大脳皮質をマイルドに分散すると、樹状突起をつけたままの神経細胞がとれてきた。この細胞を無血清、低密度培養した。培養3日後に、どこから新しい軸索が再生してくるかを調べた。軸索は66%の細胞で元の樹状突起の先端から再生していた。その場合、樹状突起が軸索に変換していた。軸索再生の始まる時間を各細胞について測定すると、樹状突起の先端からの軸索再生は、細胞体から軸索が再生するときよりも5時間ほど遅かった。軸索が伸長するためには効率のよい膜輸送経路が必要であり、そのためには微小管の長さ、向き、微小管結合蛋白などが再配置されなければならない。約5時間という所要時間は、細胞骨格成分の輸送、いわゆる遅い順行輸送のスピードから計算して合致する。
以上2つの極性逆転現象が、細胞極性の形成機構に重要なステップや分子を探し出すのに有用な系となることを期待している。

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kanno, T.: "NMDA-receptor dependent and independent cytotoxic effects of D. discoideum differentiation-inducing factor on rat cortical neurons"Development Growth and Differentiation. 43巻. 709-716 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Hayashi, K.: "Alternation in the neuronal polarity and conversion of dendrites into axons in neonatal rat cortical neurons in vitro"Neuroscience. (in press).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 林 謙介: "神経細胞の極性逆転現象"日本神経精神薬理学雑誌. 21巻. 83-87 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 林 謙介: "神経細胞の発生過程における細胞極性ブレインサイエンスレビュー2001"医学書院. 4 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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