研究課題/領域番号 |
13045010
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小嶋 徹也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80262153)
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研究分担者 |
西郷 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50136454)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 形態形成 / モルフォゲン / 位置情報 / ホメオボックス遺伝子 / 発現制御 |
研究概要 |
発生過程における基本メカニズムの1つは、モルフォゲンの濃度もしくは活性依存的に領域特異的な転写因子の発現が誘導され、それによって均一な細胞集団が性質の異なる集団に分割されること(領域の区画化)である。領域の区画化は一度に起こるのではなく、初めは比較的大きな区画が形成されそれが次第に小さく区画化されてゆき、最終構造に対応する小さな区画が形成されていく。本研究では、ショウジョウバエ成虫肢形成過程において、モルフォゲンの濃度もしくは活性の勾配が転写因子の発現領域に変換される具体的な機構や、段階的に小さな区画が形成される機構について、ホメオボックス遺伝子Barの発現制御機構を中心に解析した。前年度までに、Barとその隣の領域で発現するホメオボックス遺伝子al, Lim1との間の相互抑制作用によって、モルフォゲンにより大まかに決定された領域が厳密に区画化されることを明らかにしているが、その相互作用にはal, Lim1だけでは不十分である事も分かっていた。突然変異体のスクリーニング及びその解析から、今回、もう1つのホメオボックス遺伝子cllがこの相互作用に重要な働きをしている事、cllとalは協調的に働いている事、初期にはモルフォゲンによりこれらの遺伝子の発現が誘導されるが、後期にはこれらの遺伝子問の相互作用によりモルフォゲンに非依存的になっている事等を明らかにした。また、Barの発現は初めは比較的広い領域で発現し、その後より狭い領域に限定される。Barの発現制御領域の解析から、これはエンハンサーが初期と後期で切り替わる事によっていることがわかった。さらに、Bar自身が初期エンハンサ-にはネガティブに、後期エンハンサーにはポジティブに働いていること、後期エンハンサーの活性が初期にはなく、後期になって表れるのは、bHLH-PAS蛋白質をコードするssの働きによる事も明らかになった。
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