研究課題/領域番号 |
13045030
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大内 淑代 徳島大学, 工学部, 助教授 (00253229)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | FGF / Fibroblast Growth Factor / 線維芽細胞増殖因子 / 器官形成 / 形態形成 / 幹細胞 / FGF10 / 上皮間葉相互作用 |
研究概要 |
線維芽細胞増殖因子10(FGF10)は、角化細胞増殖因子に類似するFGFとして発見された細胞外シグナル分子である。その発生学的役割については、過剰肢(Dasoku)誘導実験やノックアウトマウスを用いた解析から、四肢、肺、涙腺、膵臓、乳腺や外性器など様々な器官の形成において重要な役割を担っていることが明らかにされている。本年度、私は、皮膚構造物と歯を器官形成のモデル系にとりあげ、これらの器官の形態形成におけるFGF10シグナルネットワークの役割を調べ、FGF10が上皮系幹細胞の増殖と維持に関与する因子であることを示した。 (1)表皮幹細胞の形成におけるFGF10シグナルの役割 鳥類の皮膚付属器には羽毛とウロコがあり、FGF10が羽毛とウロコの原基である表皮プラコード直下の間葉組織に発現することを見い出した。そこで、FGF10がこれらのプラコード形成に関与する間葉からの初期シグナルであるかどうか調べるために、ニワトリ胚大腿部の間葉にFgf10遺伝子を強制発現させる実験を行なった。すると、表皮の肥厚が生じ、結果的に羽毛形成が抑制されることがわかった。この肥厚した表皮には、ガン抑制因子p53ファミリーの1つであるp63が発現していた。p63は、最近、表皮幹細胞や表皮前駆細胞(Transient amplifying cells)に発現し、その増殖と維持に関与していることが報告されているDNA結合タンパク質である。以上の結果より、FGF10シグナルは、表皮細胞に対する増殖促進因子であり、p63を介して表皮幹細胞や前駆細胞の増殖と維持に関与していることが示唆された(論文投稿中)。 (2)歯の幹細胞形成におけるFGF10シグナルの役割 FGF10ノックアウトマウスを用いた解析により、FGF10シグナルには、器官形成期の切歯幹細胞コンパートメントをつくりその生存を維持するはたらきがあることを示した。
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