研究課題/領域番号 |
13045039
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
秋本 和憲 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70285104)
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研究分担者 |
鈴木 厚 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00264606)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 細胞極性 / 初期発生 |
研究概要 |
a)哺乳類初期発生におけるaPKC/ASIPの役割の解析 1)免疫組織学的な解析の結果、胎生7.5日ΔaPKCマウスの異常な胚性外胚葉を構成する上皮様細胞で一部の細胞接着分子マーカーの挙動が異常であった。更に、電子顕微鏡解析により、この異常な細胞で実際に細胞間接着構造が異常となっていることが確かめられた。2)この異常な胚性外胚葉を構成する上皮様細胞ではaPKC結合蛋白であり、かつ細胞極性マーカーであるASIPとPar6の細胞内局在が異常であった。3)この異常な上皮様細胞では細胞の分裂軸が異常であった。つまり、ΔaPKCマウスの異常な胚性外胚葉を構成する上皮様細胞においては細胞極性が異常となっていた。以上から、aPKCは哺乳類初期発生過程において、胚性外胚葉を構成する上皮細胞の細胞極性制御に必須であり、この極性制御を介して胚性外胚葉の組織構築に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。このことは、不明な点の多い哺乳類初期胚の胚性外胚葉の発生メカニズムの一端に新たなメスを入れるものである。更に、線虫やショウジョウバエばかりではなく哺乳類の初期発生においても保存された多細胞生物共通のaPKCを介した細胞極性制御メカニズムの存在が本研究により明らかとなった。 b)中枢神経形成 aPKC/ASIPは脳室帯の神経幹細胞において脳室に面した頂端側に極性を持って局在しており、aPKC/ASIPは哺乳類における中枢神経発生に重要な役割を果たしていることが期待された。そこで、発生過程において脳室帯の神経幹細胞でcreを特異的に発現するNestin-creTgマウスとaPKC-loxPマウスとを交配し、発生過程で中枢神経特異的にaPKC遺伝子を欠失し、中枢神経発生におけるaPKCの役割を主に細胞極性という観点で組織学的解析により明らかとすることを試みた。現在までに、解析用のマウスの交配作製までが終了している。
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