研究課題/領域番号 |
13045052
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
岡部 正隆 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (10300716)
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研究分担者 |
広海 健 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (70291888)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 発生 / 進化 / 神経 / 感覚器 / 目 / dpp / atonal |
研究概要 |
複眼や聴覚器、伸展受容器といった体節別に存在する感覚器の発生はatonal遺伝子の活性化によって始まる。atonal遺伝子の発現に必要なcis制御領域は全エクソンの3'側に存在することがすでに報告されており、各感覚器別の発現制御領域が存在すると予想されていた。 我々のこれまでの研究成果から、atonal遺伝子の空間的な発現パターンを決定するのにはdppシグナルが必要であることが明らかとなっていた。我々はこの3'側のcis制御領域の塩基配列からdppシグナルのシグナル伝達因子であるMAD蛋白質の結合配列を検索したところ、このcis制御領域内に2ケ所のMAD結合配列を同定した。そこで今回我々は、このMAD結合配列がatonal遺伝子の発現制御に関わるか否か、また異なる感覚器の発生において別々もしくは同じMAD結合配列が利用されているかを明らかにするために、この2ケ所のMAD結合配列に点突然変異を導入したlacZレポーター系統の遺伝子組換えショウジョウバエを作成し、レポーター遺伝子の発現パターンをin vivoで検証した。 正常型3'enhancer領域を導入したレポーター系統では、複眼、伸展受容器で十分なレポーター遺伝子の発現を示し、内在性のatonal遺伝子の発現パターンと一致した。2ケ所のMAD結合配列の内、どちらかの片方のみに点突然変異を導入したレポーター系統においては、複眼、伸展受容器ともに大幅にレポーター遺伝子の発現量が低下し、2ケ所両方に点突然変異を導入した系統ではその発現は完全に消失した。このことは、感覚器ごとに異なるcis制御領域が存在しているわけではなく、これらの感覚器がゲノム上の共通のMAD結合配列を用いていることを示している。このことから、これらの感覚器は独立に生じたというよりも、むしろ共通の祖先型感覚器から体節ごとに変化してきたと考える方が妥当であろう。
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