研究分担者 |
相良 明男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20187058)
久保田 雄輔 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50023726)
和田 元 同志社大学, 工学部, 教授 (30201263)
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40227583)
車田 亮 茨城大学, 工学部, 助教授 (60170099)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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研究概要 |
将来の核融合炉における高熱流束機器のプラズマ対向材料として,耐損耗に優れ,水素吸蔵の少ない高Z材料,とくにタングステンが注目を集めている。このタングステン材料について,その製作法,熱特性,プラズマ照射による水素同位体,ヘリウム吸蔵特性について多様な材料,条件にわたって試作開発,実験を行い,以下の成果を得た。 1.炭素材料表面へのコーティングについて,表面形状の工夫により熱膨張率の不整合に起因する問題解決の方法を示した。具体的にはC/C複合繊維材表面を溝を切ることによって繊維方向に分割し,50mm x 60mm,35mm x 60mmの2つのコーティング材試作に成功した。その結果,大型で活熱伝導率の高いタングステンコーティング素材製作の見通しを得ることができた。 2.タングステンバルク材,あるいはタングステン被覆炭素材の無酸素銅へのロウ付けを試み,熱負荷試験を実施した。15MW/m^2まで熱特性の劣化がないという結果が得られ,接合法の見通しが開かれたが,表面の亀裂発生など,問題点も明らかになった。 3.多層のレニウム中間層を持つ試験材料を製作し,系統的な熱負荷試験とその後の分析を実施した。レニウム中間層がコーティング膜界面のカーバイド化,脆化を抑える効果を果たしていることを確認し,その効果の許容限界として1300℃という量的な指針を得た。 4.水素,およびヘリウム吸蔵特性に,プラズマ照射による表面改質,ブリスター生成,あるいは照射以前の素材の結晶構造が影響を与えていることを実験的に明らかにし,その定量的な評価についてはより詳細な研究が必要であることを明らかにした。 総合的に見て,当初設定した方針に沿って材料開発と評価試験,プラズマ照射実験をほぼ計画どおり実施し,所期の目標を達成したということができる。今後の方向,課題についても,重要な指針を得ることができた。
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