研究課題/領域番号 |
13124202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中尾 政之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90242007)
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研究分担者 |
光石 衛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90183110)
松本 潔 東京大学, 大学院・理工専攻, 助教授 (10282675)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 26,000千円)
2003年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2002年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2001年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 3次元微細構造 / 電子ビーム堆積法 / レーザ溶接 / 集束イオンビーム加工法 / ガラス焼結 / 近接場光学顕微鏡 / 形質転換 / ウォータージェット加工法 / DNAハンドリング / マイクロディスペンサ / 撥水剤 |
研究概要 |
研究の目的はマイクロケモメカトロニクスのために半導体加工技術や機械加工技術を用いて、3次元微細構造を創成する技術を確立することである。これまで化学分析機器のマイクロ化のために用いられてきた表面形状創成用のMEMS技術や機能表面創成用の物理的成膜技術や化学的修飾技術に加え、電解研磨・放電加工・ビーム堆積・組立接合・加圧転写・射出成形などの機械的な微細加工技術を用いて、3次元微細構造を備えたマイクロ化学分析機器を創成する。本研究では微細な構造として針状・管状・溝状構造に分類し以下のような項目に分けて研究を行った。 ・針状構造物の薇細加工システムの開発 ナノメートルスケールの針状構造の製作技術として、走査型電子顕微鏡のビームを用いてカーボンを堆積させる、電子ビーム堆積(Electron Beam Deposition : EBD)法を研究してきた。またこの針状構造を用いてDNAのハンドリングツールや散乱型近接場光学顕微鏡のプローブへの応用を行った。またさらに、微細センサなどへの応用を念頭においてEBDプロープの導電性の制御を試みた。非晶質であるEBDに結晶性のグラファイト構造を持たせるために、電子顕微鏡内に炭素源供給装置と触媒と触媒活性化用の加熱装置とを配置した結果、結晶性と考えられるカーボン堆積物を生成できた。 ・管状構造物の微細加工システムの開発 集束イオンビームを用いて微細ガラス管を加工し管状構造を作製する研究を進めてきた。応用例として、内部にピコリットルオーダの一定体の親水部を設けることによって定量分注を行うマイクロピペット、ピエゾ素子で上下駆動するマイクロピペットと親水性を制御した基板との組み合わせによって基板上に液滴を生成するシステムを開発した。またこれを植物細胞の形質転換用遺伝子を封入するビーズの生成に応用し、遺伝子と混合したアルギン酸ナトリウム水溶液をガラス基板上に滴下、これに塩化カルシウム水溶液を加えてゲル化し、遺伝子を内包したビーズを作製した。 ・溝状構造の精密転写プロセスの開発 マイクロ分析機器の量産化を念頭に、現在、ウェットあるいはドライエッチングなど主に化学的手法で製作されているガラスチャネルチップを、より高速かつ安価に製造するための機械的加工法の開発を行ってきた。砥粒を含んだ水を高圧で噴出してガラスを除去加工するウォータージェット加工、ガラス粉末をインジェクタで塗布し溝を形成した後、焼結してガラスチップを作製する加工法を試みた。さらに、ガラスを腐食させてしまう物質や、過大な熱・圧力を発生させる反応を扱うために、抜熱性と耐衝撃性に優れた金属製の化学チップの開発を行った。切削法による溝の形成とYAGレーザ溶接法による蓋の接合技術を組み合わせて、溝幅が400μm程度の多層のステンレス製チップを作製できることを示した。
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