研究課題/領域番号 |
13125204
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
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研究分担者 |
山口 宏 関西学院大学, 理工学部, 専任講師 (10252719)
岡島 俊英 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10247968)
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
41,300千円 (直接経費: 41,300千円)
2003年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2002年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2001年度: 25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
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キーワード | 触媒・化学プロセス / 生物・生体工学 / ナノバイオ / 分子認識 / ビルトイン補酵素 / 複合酵素 / キノン補酵素 / post-translational modification |
研究概要 |
生体内で多彩な化学反応を行っている酵素の多くは、さまざまな金属イオンや有機低分子化合物(補酵素)を含んでいて、それらの存在なしには触媒機能を発揮できない。換言すれば、タンパク質を構成している20種類のアミノ酸残基のみでは触媒できる反応の種類が限られているが、こうした金属イオンや補酵素を結合することで、タンパク質は多様な反応を触媒する能力を獲得する。本研究では、高効率な酸化還元反応の触媒能力を有するキノン型ビルトイン補酵素や金属イオン、さらには有機金属不斉触媒をタンパク質に導入したコンポジット触媒を新たに分子設計することを目的としている。これまでの成果をまとめると、 1.数種のグラム陰性細菌に見いだされた新規なキノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素の共有結合型キノン補酵素の構造を明らかにするため、酵素タンパク質のX線結晶解析を行った。その結果、新規キノン型ビルトイン補酵素、システイン・トリプトフィルキノン(CTQ)を同定できた。 2.機能性抗体の新規なスクリーニングシステムを構築し、抗体提示ファージライブラリーからリン酸基転移反応や特定のアミノ酸配列に特異的なプロテアーゼ反応を触媒する触媒抗体を取得するため、新規なファージディスプレイ法を構築した。 3.酵素反応に見られる高選択性を金属-有機コンポジット触媒において再現すべく、反応基質の活性化に協調的に働く金属イオンをルイス酸部位やルイス塩基部位に適切に配置した多機能コンポジット不斉触媒を設計・合成した。 4.銅アミン酸化酵素に含まれるビルトイン型補酵素の一種、トパキノンが銅イオン依存的に自動的に生成する過程を時間分割X線結晶解析により追跡し、活性部位の構造変化を明らかにした。 5.銅アミン酸化酵素の触媒塩基であるアスパラギン酸残基に変異を導入し、変異型酵素の反応速度論的解析とX線結晶解析を行うことにより、本酵素の精密な触媒反応機構を解明した。 6.キノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素に含まれるCTQ補酵素の生成機構を明らかにすることを目的として、オペロンを形成している本酵素サブユニット遺伝子のどれにも対応しない2番目のオープンリーディングフレーム(ORF2)の役割を解析した。その結果、ORF2タンパク質はCTO補酵素や令子内チオエーテル架橋の形成などに関与することが強く示唆された。
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