配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
フィッシャー・トロプシュ合成(FT合成)の触媒活性の向上には,触媒の内部の物質拡散を速くし,かつ触媒の高表面積と金属粒子の高分散化が必要である。しかしこの要求は相反するものである。この両方の要求を満足させる触媒として,大きな細孔と小さな細孔の両方持つバイモダル触媒がある。大きな細孔は反応ガスの触媒粒子内の拡散と、生成した炭化水素の触媒外部への拡散を促進し、小さな細孔は高比表面積と金属粒子の高分散状態を維持する。 本研究により,任意の大きさのメソポアを有するシリカ担体にシリカゾル,ジルコニアゾルを含浸させて,バイモダル担体を安全で,簡単に調製する方法を確立した。バイモダル担体からCo担持触媒を調製し,液相FT合成に対する性能を調べたところ,バイモダル担体に期待される性能を持つ事がわかった。本年はこのバイモダル担体調製法をより一般的にするため,適当な金属ゾル溶液の調製できない金属でバイモダル担体を調整する方法として,マイクロエマルジョン法を用いて,バイモダル担体の調製を行った。 マイクロエマルジョン法としてポリエチレングリコール(平均分子量200)水溶液に硝酸アルミニウムを溶解させた溶液をシリカゲルQ-50に含浸させてバイモダル担体を調製し,Coを10wt%含浸させて触媒調製した。アルミナバイモダル担体は5.5と30nmの細孔径を持ち,表面積もQ-10の70から101m^2/gへと増加したことから,バイモダル担体が生成したと推察された。FT合成ではCO転化率はQ-50の13.5から47.9%へと大きく増加し,高活性を示した。小さい細孔径がバイモダル担体とほぼ同じ,Q-3(3.0nm)と比較してCH_4選択率は18.1から10.2%,CO_2選択率は16.8から1.3%へと大きく低下し,バイモダル担体に期待される性質を示した。 本研究により汎用性が高く,安全で,調製法も容易なバイモダル担体の調製方法を開発した。
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