研究分担者 |
波多野 豊平 山形大学, 工学部, 助手 (20333990)
中野 環 奈良先端科学技術大学, 大学院・物質創成科学研究科, 助教授 (40227856)
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80113538)
山本 智代 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80314045)
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配分額 *注記 |
33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
2003年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2002年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2001年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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研究概要 |
一方向巻きのらせん構造を有するポリ(メタクリル酸エステル)誘導体をテンプレートとして用い,分子インプリント法を応用することにより,キラルならせん状空孔の形成,さらには,多様なキラル分子に対する不斉認識能を有する新規高分子ゲルの構築について検討した.これまでの研究より,共重合モノマーとしてα-(ベンジルオキシメチル)アクリル酸誘導体を用いることにより,通常分子インプリント法で用いられるメタクリル酸などに比べ,.より効果的にキラルゲルを構築できることを明らかにしている.これはテンプレートと2点で相互作用することが可能なこの2官能性モノマーの特徴的な構造に基づくものであると考えられる.そこで,実用性の観点から,市販の種々の2官能性モノマーを共重合モノマーとして用いた新規キラルゲル構築法について検討した.2官能性モノマーとしてマレイン酸誘導体などを用い,これまでに確立した方法を応用し,キラルゲルの構築を行った.その結果,いずれの場合にもほぼ定量的にゲルを合成することができた.得られたゲルの不斉認識能をtrans-スチルベンオキシド,トレガー塩基などのラセミ体を用いて不斉吸着実験による評価を行った.その結果,いずれのゲルも不斉識別能を示した.たとえばマレイン酸から得られたゲルは,特にtrans-スチルベンオキシドに対して高い不斉識別能を示し,市販の2官能性モノマーを用いた本手法が,有効であることが示された.しかし,α-(ベンジルオキシメチル)アクリル酸誘導体を用いて合成したゲルの性能には及ばず,モノマー設計がキラルらせん状空孔のより精密な構築を行う上で,非常に重要であると言える.
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