研究分担者 |
内田 達也 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (30261548)
山口 央 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10359531)
西沢 精一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40281969)
石坂 昌司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80311520)
石岡 寿雄 九州大学, 大学院・総合理工学府, 助手 (60304838)
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配分額 *注記 |
42,800千円 (直接経費: 42,800千円)
2003年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2002年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2001年度: 24,600千円 (直接経費: 24,600千円)
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研究概要 |
本年度の研究の遂行によって液液界面,液膜界面における相関移動あるいは膜透過といった分子の輸送現象,あるいは溶媒和現象を観測することで,液液界面を利用した分子認識機能について検討を行い,以下のような知見を得た。 チオ尿素基,チオウロニウム基をアニオン認識部位に持つ一連のレセプターを合成し,液/液界面における特異的分子認識能について検討した。ニトロベンゼン/水系において,ビスチオウレア型のレセプターがリン酸イオンと特異的な1:2錯体を形成し,界面を横切る相間移動を起こすことをポーラログラフィー法により明らかとした。昨年度検討したレセプターよりもリン酸イオンに対する錯形成能は若干小さいものの,高効率なリン酸イオンの相関移動を達成する上で水素結合に起因する安定なレセプター:リン酸イオンの1:2錯体の形成が重要であることが示唆された。また,種々の有機溶媒を用いて形成した液液界面系にアンスロイルオキシ基を吸着させ,時間分解全反射蛍光測定を行うことで,液液界面に吸着した分子周囲の誘電率が優先的溶媒和現象に依存することを見いだした。 液膜界面における分子の吸着,膜透過過程についてSHG分光法および蛍光分光法を用いて検討した。脂質二分子膜で構成されるベシクルを水溶液中に分散させ,一連のヘミシアニン分子の膜吸着,膜透過過程を観測したところ,カチオン性のヘミシアニン分子に比べて双性イオン型のヘミシアニン分子の膜透過が非常に遅いことを見いだし,また,膜透過速度がヘミシアニン分子のアニリン部位に結合したアルキル鎖の長さが短いほど膜透過が遅くなることを明らかとした。
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