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磁場が誘起する磁性体の新量子現象の総括

研究課題

研究課題/領域番号 13130101
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京工業大学

研究代表者

田中 秀数  東京工業大学, 極低温物性研究センター, 教授 (80188325)

研究分担者 上田 寛  東京大学, 物性研究所, 教授 (20127054)
金道 浩一  東京大学, 物性研究所, 教授 (20205058)
太田 仁  神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)
宮下 精二  東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10143372)
利根川 孝  福井工業大学, 工学部, 教授 (80028167)
内野倉 國光  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20015564)
本河 光博  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30028188)
研究期間 (年度) 2001 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
28,200千円 (直接経費: 28,200千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2003年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
キーワード磁性 / 物性実験 / 低温物性 / 統計力学 / 強磁場 / 量子スピン系 / 磁場誘起磁気現象 / 低次元磁性体 / 強磁場物性 / 高圧物性 / スピンギャップ / 量子相転移 / 量子効果 / 新物質 / フラストレーション
研究概要

本研究において,我々は種々の空間構造をもち,スピンの大きさがS=1/2と小さく,量子効果が顕著な量子磁性体を精力的に開拓し,それらが強磁場中で示す新奇な磁気現象を多角的に研究した。以下に代表的な結果をあげる。スピンの対(ダイマー)が構成単位である,S=1/2のスピンダイマー系は磁場中で新奇な量子相転移を起こす。これらの磁性体の基底状態は,有限の励起ギャップをもった非磁性の1重項状態となる。強磁場中では,磁化をもつダイマーの3重項状態が重要になる。ダイマーの3重項はダイマー間の交換相互作用の横成分のために隣の位置に次々と移ってゆき,あたかも粒子のように振る舞う。この準粒子はボース粒子の性格をもちマグノン或いはトリプロンとよばれる。このとき磁場はマグノンの化学ポテンシャルとして,新しい役割を担う。我々はSrCu_2(BO_3)_2を初めとして種々の量子磁性体で,磁化曲線に磁場方向に依らない平坦領域(磁化プラトー)を発見した。磁化プラトーはマグノンの並進運動が抑制されるためにマグノンが周期的に配列するために起こる,量子多体効果である。磁化プラトーではマグノンのウィグナー結晶が形成されていると考えられる。我々はSrCu_2(BO_3)_2のNMR実験によって,実際にマグノンのウィグナー結晶を実証した。これに対して,磁場誘起反強磁性相転移はマグノンの並進運動が優先されるために起こるマグノンのボース・アインシュタイン凝縮(略してボース凝縮)と捉えることができる。これはマグノンの運動量空間での凝縮である。我々はTlCuCl_3の磁場誘起反強磁性相転移を種々の実験で詳細に調べ,理論解析と合わせて,これがマグノンのボース凝縮であることを実証した。本特定領域研究によって,磁性体は強磁場中で「量子力学的粒子の集団」としての性質を強く示す場合があることが明らかになった。これは磁性体の新概念をつくるものである。
我々はまた,平成13年度から15年度にかけて国外研究者を交えた公開シンポジウムを3回開催し,平成16年に国際会議「International Symposium on Quantum Spin Systems」を開催した。更に3回の国際会議を協賛した。

報告書

(6件)
  • 2005 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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