| 配分額 *注記 |
37,000千円 (直接経費: 37,000千円)
2004年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
2003年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2002年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2001年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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| 研究概要 |
申請者は,本研究課題において,不斉リン原子を有する核酸類縁体の立体選択的な新規合成手法(オキサザホスホリジン法)の開発を行った。立体化学的に純粋な新規環状ホスホロアミダイトユニットの合成法を確立し,その反応機構の詳細を非経験的分子軌道計算によって明らかにした。また,立体化学的に純粋な環状ホスホロアミダイトと求核性の低い新規酸性活性化剤を用いて高度にジアステレオ選択的なインターヌクレオチド結合生成反応を実現した。さらに,この方法を固相法に応用し,立体が制御されたホスホロチオエートDNAの合成に成功した。特に,立体選択的合成反応に関しては,収率,立体選択性に関して当初の目標を達成することができ,十分実用性の高い方法論を確立することができた。今後,本研究の方法によって合成されたリン原子の立体が厳密に制御された核酸類縁体は,アンチセンス法やアンチジーン法などに用いる核酸医薬としてその活用が大いに期待できる。
一方,申請者は,新しいタイプのリン原子修飾核酸として有望視されているボラノホスフェートDNAの新規合成法を確立することにも成功した。これまでボラノホスフェートDNAは,合成上の制約からチミジル酸誘導体しか合成例のなかったが,本研究によってはじめて4種類の核酸塩基を含むオリゴマーの固相合成に成功した。さらに,相補的な塩基配列を有するDNAおよびRNAとの二重鎖形成能を評価したところ,DNAよりもRNA相補鎖とより安定な二重鎖を形成することを明らかにした。12量体の場合,ボラノホスフェートDNA・RNA二重鎖は生理的条件下で45℃以上のTm値を示したことから,今後,アンチセンス核酸としての利用が大いに期待できる。
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