配分額 *注記 |
76,100千円 (直接経費: 76,100千円)
2004年度: 14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2003年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
2002年度: 20,600千円 (直接経費: 20,600千円)
2001年度: 22,800千円 (直接経費: 22,800千円)
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研究概要 |
当班の研究成果は以下の2点に要約される. 1.種々の有機低分子をゲストとして包接したシンジオタクチックポリスチレン(sPS)のδ型コンプレックス結晶から,ゲスト分子が抜け出たメゾフェイズ構造は,その抜け跡がサイズ・形状・連結性等が高度に制御された「分子キャビティー」とみなせる極微小空間群であるという事実を実験的に立証するとともに,その効率の良い調製法を確立した.sPSのメゾフェイズ構造は,調製時に用いるゲスト分子によってÅ未満のオーダーでサイズ・形状制御できることを明らかにした.種々のメゾフェイズ構造を対象に各種有機低分子の収着特性を検討した結果,選択的吸着分離や透過分離膜への応用が提案できた.一方,sPSのα型結晶も分子軸方向に「分子キャビティー」が連結したキャピラリー状の極微小空間を構築しており,その調製法並びに磁場配向制御法を確立した.結晶成分が増えるほど気体透過係数が増大するという,従来の常識とは正反対の現象を世界で初めて発見した.α型結晶が提供する「分子キャピラリー」の断面サイズより大きな分子は透過できない事実も明らかにした. 2.ポリジメチルシロキサンとポリメチルメタクリレートからなるグラフト及びブロック共重合体膜の調製法を確立し,ミクロ相分離構造が連続層を成すときVOC(揮発性有機化合物)の選択透過除去性能が著しく向上する事実を明らかにした.表面改質剤としてポリフルオロアルキルメタクリレートを用いると,選択性と透過性の両方が改善された.ベンゼンなどの包接化合物であるカリックスアレン(CA)を分子キャビティーとしてこれらの膜に導入すると,選択能が著しく向上した.ポリジメチルシロキサン・ジメタクリレートをジビニルフルオロ-n-ヘキサンで架橋した膜はベンゼン選択除去性能と透過性が著しく高く,この膜にCAを添加すると選択及び透過性の双方はさらに向上した.最終的にベンゼン/水の分離比5000を達成した.
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