研究分担者 |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (10245798)
樋口 亜紺 成蹊大学, 工学部, 教授 (30189766)
竹岡 裕子 上智大学, 理工学部, 助手 (50338430)
北村 花子 成蹊大学, 工学部, 助手
青木 隆史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80231760)
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配分額 *注記 |
71,800千円 (直接経費: 71,800千円)
2004年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2002年度: 21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
2001年度: 21,800千円 (直接経費: 21,800千円)
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研究概要 |
様々な機能の分子キャビティーを配したスマートメンブレンの創成を目的とし,大要以下の成果を得た. (1)光学分割及び造血幹細胞の純化・分離能を有するスマートメンブレンの創成:DNAを固定化したセルロース膜を調製してトリプトファンの光学分割実験を行った結果,孔径の大きなセルロース膜を用いた場合では,小孔径膜の場合とは逆にD-体優先透過性を示し,これらが生体膜と同様なチャネルタイプの分離膜であることを明らかにした.さらに,白金錯体導入キトサン膜を調製したところ,DNAの固定化量が増え,フェニルアラニンのL-体を優先的に透過させる光学分割膜であった.一方,カルボン酸導入ポリウレタン(PU)発泡体膜を調製したところ,造血幹細胞の回収率は75%だった.また,天然多糖類であるヒアルロン酸で表面処理されたPU膜は,造血幹細胞をより高純度に分離した. (2)新規スマートメンブレンの創成:Self-assembly法でモノマーやオリゴマーを自在に積層し,これを重合して膜厚方向に分子配列が制御された膜の調製に成功した.さらに,ジアセチレン基を有する縮合系積層膜を作製し,γ線照射による新規架橋膜を得ることにも成功した.以上より,分子キャビティーを膜厚方向に規則正しく配列させる手法を確立できた.一方,膜中水のクラスター構造を解析した結果,プロトン輸送膜を指向して開発したブタンスルホン化ポリベンゾイミダゾール膜では,参照試料であるNafion膜が明確なクラスター構造を示すのに対し,水分子が膜全体に分散していた. (3)環状イミドから成るスマートメンブレンの創成:分子キャビティーを利用した高機能性分離膜を開発するため,C班でシミュレーションされた新規環状イミドの合成を試み,この環状イミドと種々の高分子マトリックスとの複合膜の作製に成功した.4量体環状イミドを用いて調製された複合膜は,ベンゼンを選択的に分離した.なお,この環状イミドの構造解析は,B班の協力による.
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