研究課題/領域番号 |
13135206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 日本大学 (2004-2006) 東京大学 (2001-2003) |
研究代表者 |
藤川 和男 日本大学, 理工学部, 教授 (30013436)
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研究分担者 |
筒井 泉 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10262106)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | カイラルアノマリー / 格子ゲージ理論 / ゲージ対称性 / 幾何学的位相 / 量子特異点 / 統計性 / 量子ゲーム理論 / エンタングルメント / 隠れたゲージ対称性 / ホロノミー / 量子エンタングルメント / ゲーム理論 / 位相 / 断熱近似 / ハミルトニアン / 可解系 / 経路積分 / 自然さ / ソリトン / 量子縺れ / カイラル対称性 / Dirac演算子 / 局所性 / 超対称性 / 量子圧 / 非可換空間 / 双対性 / Berry位相 / 量子コピー / フェルミ演算子 / 素粒子論 / 数理物理 / トポロジー / ゲージ理論 |
研究概要 |
藤川は、格子上の場の理論、特に新しいDirac演算子の可能性を考察した。また格子上の場の理論におけるマヨラナ粒子の定義とかCP対称性の定義にかかわる問題点を中心に考察すると同時に格子上での超対称性の定義に関する考察を行った。時空が非可換な理論におけるユニタリー性の問題点の考察も行った。スピンと統計の定理の異なる角度からの理解も与え、またソリトン解を持つ超対称な2次元模型に現れる一種の量子異常の考察を行った。 藤川は、また幾何学的な位相と呼ばれるものの位相的な性質とかその背後にあるゲージ対称性の起源に関する考察を行い、幾何学的な位相と量子異常の基本的な差異を明らかにした。非断熱的および混合状態の幾何学的な位相は全てシュレーディンガー方程式に内在する「隠れたゲージ対称性」に付随したホロノミーとして理解できることを示した。 筒井は、量子特異点の数理的性質を調べ、超対称性や双対性、Berry位相などの興味深い現象が生成される可能性を見出し、発散を持つポテンシャル系にも応用できるよう量子特異点の枠組を拡張し、特異点のスペクトルに対する影響を調べた。特に発散ポテンシャル系が古典再帰(caustics)現象を示す場合には、一種の状態複製が可能であることを示した。また特異点で仕切られた量子井戸系で発生する量子圧の温度依存性を調べ、それが井戸中の粒子の統計性に大きく依存することを明かにした。量子特異点の性質を制御することにより、量子計算のqubit素子として用いることが可能であることも示した。また、量子特異点を持つ可解系としてCalogero模型を考察し、$N=3$の場合に従来よりも一般的な量子解を得た。量子特異点と粒子の統計性に関する研究成果もまとめた。 筒井は、また量子論の非局所相関性の応用として従来のゲーム理論を量子化し、ゲームの安定解が持つ性質(ディレンマ解消など)に対する量子縺れ(エンタングルメント)の役割を詳しく調べた。Schmidt分解と呼ばれる複合量子状態表現に基づいて、計量可能な量子相関を持ち、かつ従来のアプローチを含む一般論を構築することに成功した。これとは別に非可換性空間上の電磁場理論における(古典)解を構成し、非可換性に起因する異常分散関係と偏光条件を得た。
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