研究課題
特定領域研究
最終年度の研究実績は1)昨年度からの研究テーマである「大局的対称性の実現」において、2005年のくりこみ群国際会議(ヘルシンキ)で報告したカイラル対称性に関する研究成果をまとめた。2)本研究のもっとも中心的な課題である、Wilsonくりこみ群に固有な運動量切断と両立する新たな「ゲージ対称性の実現」で大きな前進があった。昨年度までの研究では、有効ゲージ対称性の存在自体は、概念的は示していたが、ゲージ対称性を記述する具体的な恒等式、マスター方程式の形は未知であった。突破口は、園田英徳氏(神戸大学)がQEDでWilson有効作用に対する厳密なWard-高橋恒等式の導出に成功したことに起因する。五十嵐(研究代表者)・伊藤(研究分担者)は、園田との共同研究を開始し、この恒等式を経路積分から導き出すと共に、これが反場形式のマスター方程式の形に書き直せることを示した。この研究成果は、ギリシャで行われた第3回厳密くりこみ群国際会議で報告した。年度末までにQEDに関する論文を投稿し、さらに非可換ゲージ理論への拡張、格子模型への応用などにとりくみたい。3)格子理論におけるアノマリーについての研究では、宗(研究分担者)が鈴木博氏(理化学研究所)らと共同研究を行い、いわゆるoverlap typeといわれる格子フェルミオンの重力場中の振る舞いを考察し、理論の定式化を与えるとともに、アノマリーの計算を行った。さらに、アノマリーのゼロ次元的な類似物である、いわゆる「大局的なアノマリー」について、その経路積分表示を考察した。
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