研究課題/領域番号 |
13135211
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
青木 健一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00150912)
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研究分担者 |
平山 実 富山大学, 大学院・理工学研究部, 教授 (80018986)
寺尾 治彦 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40192653)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 非摂動 / ゲージ理論 / くりこみ群 / 自発的対称性の破れ / ソリトン / スキルミオン / 階層性問題 / ヒッグス粒子 / 湯川相互作用 / Skyrme模型 / Faddeev模型 / 位相 / 厳密解 / 素粒子模型 / トンネル効果 / 散逸 / シグマ模型 / 量子散逸系 / 超共形 / 階層性 / 統一理論 / 超共形理論 / 質量階層性 / 非線型シグマ模型 / パンレビ方程式 |
研究概要 |
これまでの非摂動的な解析方法は結合定数以外のパラメタを持ち込み、そのパラメタについての級数展開法をとるので、そのパラメタについての収束性が問題になる。非摂動くりこみ群による方法は、明示的な意味での小さいパラメタによる展開はなく、理論を表現する関数空間を部分空間で近似し、その部分空間を拡大する方法をとる。青木は、この方法を用いて、素粒子論の根幹的な課題であるゲージ理論におけるカイラル対称性の自発的破れについての研究を進めた。特に、ゲージ不変性を回復するための処方、有限温度、有限密度の状況でのカイラル対称性の相構造、ローレンツ不変でない有効作用の影響、について調べた。また、新しいタイプの相転移生成として、無限距離相互作用がある場合の解析方法を開発した。最も簡単なイジング模型を用いて、有限レンジスケーリング法を新たに提起し、ツェータ関数を利用して相転移点やKT相転移の臨界指数を求める方法を示した。 平山はSkyrme模型とFaddeev模型の厳密解やエネルギー値に関して新しい種々の知見を得ることができた。Faddeev模型の運動エネルギー項や相互作用項にある重み関数を付け加えた模型は厳密に解けることを示した。Skyrme模型の一群の2変数厳密解を得た。この解は相互作用定数に依存し,バリオン数密度0を持つ。Skvrme模型の一群の3変数厳密解を得た。この解は楕円関数で記述され、0でないバリオン数密度を持つ。特別な場合としてdomain wall解が存在することを数値的に示した。SU(2)ゲージ場がメロン配位をとる時のFaddeev-Niemi場がmonopole-antimonopole対と看做せるものであることを示した。Skyrmionのprofile functionとしてこれまで最善とされてきたものとは異なる関数形のものを考察し,よりよいエネルギー値を得た。 素粒子の標準理論およびそれを越える超対称標準模型などには、パラメータの階層性に関して種々の問題点がある。寺尾は、これらの問題を何らかの対称性の破れとしてではなく、場の量子論の動力学によって説明するような理論的可能性について、様々な観点から考察を行った。特に大きな異常次元によって階層的構造を導く模型の考察を中心に行い、素粒子の質量階層性問題、超対称フレーバー問題、標準理論および超対称標準模型におけるヒッグス質量の階層性問題に対する新しい機構や模型を提唱した。その動力学の解析の手段として、主に非摂動的な繰り込み群を用いたが、特に赤外固定点のある(超対称)ゲージ理論の繰り込み群の定式化を進めた。最近ではLHCでの発見が期待されているヒッグス粒子の新しい模型を与え、その具体的な機構や現象論的な整合性について詳しく調べた。
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