研究課題/領域番号 |
13139202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島崎 研一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00124347)
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研究分担者 |
土井 道生 (土井 道夫) 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助手 (00167537)
木下 俊則 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50271101)
和田 元 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (60167202)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
67,000千円 (直接経費: 67,000千円)
2004年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2003年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2002年度: 17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
2001年度: 23,300千円 (直接経費: 23,300千円)
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キーワード | 気孔 / 青色光効果 / 細胞膜H^+-ATPase / フォトトロピン / タイプ1プロテイン / フォスファターゼ / 光情報伝達 / プロトンポンプ / 青色光受容体 / 孔辺細胞 / フシコクシン |
研究概要 |
高等植物の青色光受容体フォトトロピンは青色光を感受して、光屈性、葉緑体定位運動、気孔開口運動、葉の横伸展、太陽追尾運動など、多くの反応を仲介する事が次第に明らかになりつつある。気孔孔辺細胞においてはフォトトロピンに受容された光シグナルは最終的には細胞膜H^+-ATPaseを活性化するが、その経路に関しては不明の点が多い。本年度はこの光シグナルの仲介にタイプ1プロテインフォスファターゼが関与する事を証明したので報告する。 まず、ソラマメ孔辺細胞からタイプ1プロテインフォスファターゼをクローニングし、それを大腸菌に発現させ、その酵素活性を確認した。次に、この酵素の活性中心に保存されたアミノ酸を置換したところ、この酵素活性は消失した。ついで、この野生型と変異型の酵素を、孔辺細胞にパーティクルガンを用いて一過的に発現させた。この葉から表皮を剥ぎ取り青色光依存の気孔開口を調べたところ、失活した酵素を発現させた孔辺細胞のみが気孔開口を阻害された。この結果は、変異型のプロテインフォスファターゼがendogenousな酵素と拮抗して基質の取り合いを引き起こし、いわゆるdominant-negative型の作用を引き起こしたと考えられ、この事実は、この情報伝達系にタイプ1プロテインフォスファターゼが関与することを強く示唆している。 次に、動物細胞で知られるタイプ1プロテインフォスファターゼのタンパク質性の特異的阻害剤として知られるinhibitor-2を上記と同様の方法で孔辺細胞に一過的に発現させた。この発現により、青色依存の気孔開口が強く阻害された。この事実は、孔辺細胞の青色光情報伝達系にタイプ1プロテインフォスファターゼが関与する事を強く示唆している。 さらに、上記酵素の阻害剤tautomycinを作用させると、フォトトロピンのリン酸化は阻害されなかったが、細胞膜H^+-ATPaseのリン酸化は強く阻害され、上記の結論を支持している。
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