配分額 *注記 |
60,900千円 (直接経費: 60,900千円)
2005年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2004年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2003年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2002年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2001年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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研究概要 |
(1)胃プロトンポンプのα,β鎖の相互作用と発現調節の解明 胃プロトンポンプは触媒鎖であるα鎖と非触媒鎖であるβ鎖からなる.私達はHEK-293細胞にα鎖,β鎖のcDNAを導入した安定発現株を構築した.生合成されたα鎖は単独では細胞表面にまで達することはできずにERに留まり,すみやかにポリユビキチン鎖修飾を受けて,細胞内のプロテアソームで分解された.一方,β鎖と会合したα鎖は安定化されて細胞表面にまで輸送されてイオン輸送機能を行った.また,β鎖はα鎖との会合に依らず,細胞表面まで輸送されて安定に発現した. (2)可逆性プロトンポンプ阻害剤の結合部位の解明 部位特異的変異導入法と,プロトンポンプの三次元構造のホモロジーモデリングを組み合わせて,可逆性のプロトンポンプ阻害剤であるSCH 28080の結合部位を解明した.ホモロジーモデリングで構築したプロトンポンプのα鎖のE_2,E_2Pフォームで,Tyr-801,Leu-811の近傍に,管腔側からSCH 28080が反応するのに丁度フィットするようなcavity構造を確認した. (3)胃プロトンポンプのプロトン輸送メカニズムの解明 胃プロトンポンプによるプロトン輸送は原形質側ではアミノ酸間での電荷移動によって行われ,イオン輸送部位でプロトンが水分子に結合してオキソニウムイオンが形成されて,これが管腔側へと輸送されることを明らかにした. □一回膜貫通型タンパク質FXYD3/Mat-8の発現分布の確認 FXYD3タンパク質は一回膜貫通型の膜タンパク質で,Na^+,K^+-ATPaseと会合してそのイオン親和性を変化させて生理機能を微調節する.本研究では,ヒト大腸がん組織とその周辺の正常粘膜における発現を比較して,正常大腸粘膜に高発現するFXYD3ががん化に伴って著しい発現抑制を受けることを明らかにした.
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