研究課題/領域番号 |
13142205
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 明人 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60114336)
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研究分担者 |
村上 聡 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30300966)
平田 隆弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90333450)
木村 能章 生物分子工学研究所, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
135,400千円 (直接経費: 135,400千円)
2005年度: 28,500千円 (直接経費: 28,500千円)
2004年度: 28,900千円 (直接経費: 28,900千円)
2003年度: 25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
2002年度: 25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
2001年度: 27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
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キーワード | 異物排出トランスポーター / X線結晶構造 / 多剤耐性 / AcrB / 多剤排出 / 膜輸送 / 能動輸送 / 異物認識 / 異物排出タンパク / 結晶構造 / 多剤排出タンパク / フェニルアラニンクラスタ / 基質結合型結晶 / 部位特異的変異導入 / フェニルアラニンクラスター / アンチポーター / 部位特異変異導入 / Cys走査変異 / NEM / 膜タンパク質 / RND / トランスポーター / 分子構造 |
研究概要 |
本研究課題は、この特定領域研究の中心的研究課題である、膜輸送タンパク質の立体構造を決定し、その構造に基づいて具体的な物質輸送機構を解明するという目的に沿って、本研究領域設定以前には全く決定されていなかった、生体膜トランスポーターのX線結晶構造を決定するという極めて野心的な目標を掲げて計画された。しかし、当初は3次元結晶解析がうまくいくかどうか確信が持てなかったので、電子顕微鏡を用いた2次元構造解析も目標に掲げていたが、これは結局必要がなかった。 領域開始翌年に、大腸菌主要異物排出トランスポーターAcrBの結晶構造解析に、私たちの研究室の村上聡を中心とするメンバーが見事に成功した。これは、異物の排出タンパクとしてだけでなく、プロトンなどのイオン輸送と共役する二次性能動輸送体として世界で初めての結晶構造決定であり、その後、続々と発表されるようになったトランスポーター構造決定の端緒を開いたものとして高く評価されている。本領域の中間評価でもこの成果は高く評価され、最高の評点を頂いた。この構造決定により、異物の認識が、異物の生体膜脂質二重層部分を通って細胞内に侵入するという性質を利用して、脂質二重層から基質を取り込むということにより、それぞれに特異的なトランスポーターを介して細胞内に取り込まれる栄養物質などと、効率良く識別されているためであると言うことが解明された。 最初の構造には、結合した基質が含まれていなかった。そのため、基質結合部位がどこかという問題が残った。当初、構造からは3量体中央のcentral cavityが候補として上がっており、Edward Yuらによってそういう結晶構造が発表されたりもした。しかし、この結果は、変異導入によって基質認識の変化したアミノ酸残基の分布と全く一致しないという問題があった。領域最終年度の昨年、基質結合型AcrBの結晶構造決定に成功した。その結果は驚くべきものであり、基質は各モノマー頭部のフエニルアラニンクラスターに結合していた。3量体は非対称で、基結合→放出→結合準備という膜輸送の3段階それぞれのスナップショットであった。これにより、3量体が機能的に回転して順次結合放出を繰り返すという全く新しい輸送機能モデルが確立された。
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