研究課題/領域番号 |
13142207
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金澤 浩 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50116448)
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研究分担者 |
福山 恵一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80032283)
三井 慶治 大阪大学, 理学研究科, 助手 (60379279)
松下 昌史 大阪大学, 理学研究科, 助手 (50403100)
中村 徳弘 大阪大学, 理学研究科, 助手 (90324748)
井上 弘樹 大阪大学, 理学研究科, 助手 (10294448)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
84,700千円 (直接経費: 84,700千円)
2005年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2004年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2003年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
2002年度: 19,800千円 (直接経費: 19,800千円)
2001年度: 17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
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キーワード | 細胞内イオン環境 / Na+ / H+交換輸送蛋白質 / pH調節 / 耐塩性 / 能動輸送機構 / 膜蛋白質構造 / 膜蛋白質細胞内局在化機構 / 分子遺伝学的方法 / 細胞内イオン恒常性 / 膜蛋白質のイオン透過機構 / 生物分子多様性 / 生体エネルギー共役 / 分子遺伝学 / 蛋白質工学 / 膜蛋白局在化 / 細胞の塩環境適応 / Na^+ / H^+交換輸送蛋白質 / 遺伝子解析 / イオン輸送の分子機構 / 能動透過系のエネルギー共役 / 遺伝子工学 / FRET解析 / Cys走査変異解析 / Na^+恒常性 / H^+交換輸送担体 / 能動輸送 / 膜蛋白質 / 生物学的統一性 / イオン輸送蛋白 / 機能促進因子 / 分子遺伝学的アプローチ / イオン輸送蛋白質の構想と機能 / 能動輸送の分子機構 / pHセンサー / 新規カルシューム結合性蛋白質 / 膜蛋白質の精製と再構成 / キメラ蛋白質の合成 / 膜タンパクの細胞内局在化 / H^+交換輸送 / イオン輸送分子機構 / ランダムミューテーション / アポトーシスキナ-ゼ / 細胞膜小胚輸送 / カルシューム結合蛋白 |
研究概要 |
細胞内のpH,Na^+,浸透圧の制御は、生命維持の基本的要件である。このイオンや浸透圧の細胞内量の制御は、細胞質膜や細胞内小胞膜に存在するNa^+/H^+交換輸送蛋白質(NhaAまたはNHE)によって行われている。この膜輸送蛋白質のナノマシーンとしての構造と作動機構、細胞内局在機構を含む制御のしくみを、細菌細胞、酵母細胞、さらにほ乳類細胞を対象として相互に比較しながら明らかにすることを目的とした。その結果つぎのような主たる成果を得た。(1)ピロリ菌のNhaAのイオン輸送に必至な膜貫通ドメインおよびイオンの結合に関与するアミノ酸残基を見出し、それぞれの膜内の空間的配置状況とりわけ親水的環境の状況をしらべ、膜中のイオン輸送路とゲート構造について初めてその様相を理解する手がかりを得た。さらに、イオン輸送にともなうNhaAの構造変化を観測する新たな実験系を構築した。(2)酵母のNha1pの機能発現に必要な残基を明らかにし、ほ乳類NHEと見かけ上同様な様相をもつC末端側の親水性ドメインの機能を詳細に解析した。その結果C末端の親水性ドメインの内、膜ドメインに近い16残基はこの蛋白質の細胞膜への局在化に必要であること、またこれに隣接する38残基にはCos3Pと呼ぶ新規蛋白質が結合し、イオン輸送機能を亢進することを示した。(3)ほ乳類のN HEについては、新規のアイソフォーム8と9を発見し、これらを含むNHE6-9は細胞内の異なる小胞に存在し、K^+/H^+交換輸送体として機能し、小胞内のpHを制御することを初めて示した。私たちが発見したNHEに結合するCHPにっいて結晶構造を明らかにするとともに、NHEの細胞膜への局在化に重要な役割をもっことを発見した。さらにこの蛋白質の多様な機能として蛋白質キナーゼDRAK2,KINESIN KIFIBβへの結合とその制御などを初めて見出した。以上の成果はNa^+/H^+交換輸送ナノマシンの構造・機能相関の理解を飛躍的すすめ、種間で見られるNa^+/H^+交換輸送蛋白質の多様性と統一性理解に大きな貢献をするものと考えられる。
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